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芸人は全力で子どもを笑わせる?放送作家・鈴木おさむさんが育休中に気付いたこと<前編>

ほいくる編集部
掲載日:2016/04/18

1年間の育休。ものづくりをする人間だからこそ、間近で子どもの成長を見たかった


雨宮みなみ

鈴木さんは、そもそもどうして1年も育休を取ろうと思ったんですか?

鈴木おさむ

「クリエイターは、子どもが動物から人間になる0〜1歳の過程を見るべきだ」ってあるラジオ局の人に言われたんですよね。その人は局で初めて、男性で育休を取ったんです。だから、僕も放送作家としてぜひその過程を見てみようと思って育休を取得しました。

雨宮みなみ

実際、育休を取ってみてどうでしたか?

鈴木おさむ

「子どもの成長はめまぐるしい」の一言に尽きますね。たとえば、日に日に僕の指を握る力が強くなってたり、昨日は「アー!」としか言えなかったのが今日は「アイーッ!」って言えるようになってたり。


寝返りが打てるようになって、離乳食を食べるようになって。そうやって毎日できることが増えて、どんどん人間らしくなっていくの見て……。「子どもってすごい!この瞬間に立ち会えてよかった」と思いましたね。

雨宮みなみ

子どもは本当に日々成長していきますもんね。見ていて飽きないし、見逃したくないし、いつも想像を上回る(笑)。いろんな気付きや学びがありますよね。

大人はオモシロイ。だから積極的に子どもを大人に会わせたい


雨宮みなみ

鈴木さんの仕事関係の方も、笑福くんに会いに来られるんですか?

鈴木おさむ

そうですね。僕は仕事柄、周囲に芸人さんとか力士さんとかちょっと変わった人が多くて。だから笑福を色々な所にどんどん連れて行きたいと思うんです。

雨宮みなみ

それはどうしてですか?

鈴木おさむ

大人に会わせることができるから。たくさん話しかけてくれて色んなことを教えてくれる、両親以外の大人に小さい頃から触れ合うことってすごく大切なことだと思うんですよ。そうやって大人に向き合うことで、子どものコミュニケーション能力も養われる。


僕自身、家が自営業で。だから小さい頃は店にたくさん大人が来て、僕のことを「かわいいね」って言ってくれて。そうやって大人と触れ合っているうちに「このおじさんはお菓子をくれるからいい子にしてよう」とか、振る舞いを覚えていったんですよね(笑)


雨宮みなみ

計算高い(笑)。でも子どもの時って、なんかそういうの、ありますよね。


「いろんな人がいるんだ」っていう、子どものながらの感覚というか。


ちなみに、笑福くんを芸人さんとかと会わせてみた時の反応はどうでした?

鈴木おさむ

すごく喜びますね。うちの妻もそうなんですけど、芸人さんって顔芸がすごいんですよ。たとえ子ども相手でも全力で笑わせにいく。たとえば「いないいないばあ」ひとつでも、脇目も振らずにやるんです(笑)。

雨宮みなみ

見てみたい!(笑)

鈴木おさむ

そんな、子ども同士の関わりとはまた違った子どもが楽しく過ごせる空間って、大人が作れる部分があると思うんですよね。小さい時は特に。だから、これからもいろんな大人に会わせていきたいなと思うんです。

前半は、ここまで。

後編では、鈴木さんが自身のブログを通して気付いたことや保育園・保育士に求めることについてお聞きしています!


鈴木おさむ(すずきおさむ)


*鈴木おさむ(すずきおさむ):1972年4月25日生まれ。
高校時代に放送作家を志し、19歳で放送作家デビュー。バラエティーを中心に多くのヒット番組の構成を担当。映画・ドラマの脚本や舞台の作演出、小説の執筆等さまざまなジャンルで活躍している。2002年に森三中 大島美幸さんと結婚。2015年に第一子を授かり、一児のパパに。“父勉”と称して一年間の育休を取得中。

雨宮みなみ(あめみやみなみ)


*雨宮みなみ(あめみやみなみ):こども法人キッズカラー代表。中学生時の職業体験で、自然と自分が笑顔でいられる保育の世界に魅了され、保育士になる事だけを目指し20歳で保育園に就職。保育の現場で感じた保育士の不安や負担を楽しさに繋げたい、という想いから2010年にキッズカラーを設立。同年HoiClue♪をスタート。2014年に第一子を出産し、一児の母でもある。

(執筆 サムライト末永 瞳/撮影 サムライト初瀬川 裕介)