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「先生、子どもの爪が伸びていることくらい、許して!」サイボウズ青野社長と育児を語る<前編>

ほいくる編集部
掲載日:2016/03/07

子どもの爪を切るのは、想像以上に難しい?


雨宮みなみ

私、以前保育士をしていたんです。まだ保育園勤めで子どもがいなかった時は、「ちゃんとお子さんの爪を切ってきてくださいね」とか普通に言ってたんですけど...母親になって初めてわかりました、意外と「爪を切る」というだけのことでも、こまめに出来ないもんなんだなって。

青野慶久

爪は切れないですよ、ちょこちょこ動くから、切らせてくれないし(笑)

雨宮みなみ

だから、私自身も保育士の時に、もうちょっと違った伝え方があったんじゃないかなぁと後悔しています(笑)。どっちが悪いとかではなく、お互いがお互いを知る機会が必要なのかなって。親と保育士、お互いの大変さをわかりあえる時間が。なのであの大丈夫ムービーを、保育士さんとお母さん一緒に見てもらって、というリアルな声を聞いてみたいなと思いました。

青野慶久

ちょっと話が変わりますけど、僕、保育園って同じものかと思ったけど、全然、違うなって。

雨宮みなみ

例えば、どういうところですか?

青野慶久

いろいろ見て回ったけど設備面だったり、環境だったり、教育方針だったり、全然違うなって。認可がいいとか言われますけど、人によってはそうとは限らないのかなって。


以前、とある保育園でお父さんが一日、保育士体験する企画もあり、妻が勝手に応募したんですね(笑)。その時、保育士さんのすごさを身をもって知りました!

雨宮みなみ

どういうところですか?


青野慶久

保育士さんって、結構な人数を見るじゃないですか?僕が1日体験した時は2歳児クラスだったんですけど。「はい公園ですよ〜、遊びましょう〜!」というと、みんな、見事なまでに四方に散っていって(笑)。でも、保育士さんって、「●●君はあっちにいますよ」って全員の場所を把握していて。

雨宮みなみ

はい(笑)

青野慶久

ちゃんと子どもの性格とか行動パターンを把握しているからこそ、出来るんだろうなって。

雨宮みなみ

たしかに、保育士さんってそうですね。毎日ただ共に過ごしたり遊んだりするだけでなく、子どものこと、すごくよく見ています。。

青野慶久

各園で独自の企画や取り組みがあって。すごくいい取り組みとかあるのだから、みんなで持ち寄ったり共有したりしていく環境や機会がないと、もったいないなって。


さて、前編はここまで。

後編ではイクメン社長として育児も頑張る青野さんに、いい保育園についてのお話と、働きやすい会社の条件について聞いています。

青野慶久(あおのよしひさ)


*青野慶久(あおのよしひさ):1971年生まれ。愛媛県今治市出身。大阪大学工学部情報システム工学科卒業後、松下電工(現 パナソニック)を経て、1997年8月愛媛県松山市でサイボウズを設立。

2005年4月代表取締役社長に就任(現任)。

社内のワークスタイル変革を推進し離職率を6分の1に低減するとともに、3児の父として3度の育児休暇を取得。

また2011年から事業のクラウド化を進め、有料契約社は12,000社を超える。

総務省ワークスタイル変革プロジェクトの外部アドバイザーやCSAJ(一般社団法人コンピュータソフトウェア協会)の副会長を務める。

著書に『ちょいデキ!』(文春新書)、『チームのことだけ、考えた。』(ダイヤモンド社)がある。

雨宮みなみ(あめみやみなみ)


*雨宮みなみ(あめみやみなみ):こども法人キッズカラー代表。中学生時の職業体験で、自然と自分が笑顔でいられる保育の世界に魅了され、保育士になる事だけを目指し20歳で保育園に就職。保育の現場で感じた保育士の不安や負担を楽しさに繋げたい、という想いから2010年にキッズカラーを設立。同年HoiClue♪をスタート。2014年に第一子を出産し、一児の母でもある。


(執筆:サムライト 後藤亮輔/撮影:サムライト 末永瞳)