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「先生、子どもの爪が伸びていることくらい、許して!」サイボウズ青野社長と育児を語る<前編>

ほいくる編集部
掲載日:2016/03/07
「先生、子どもの爪が伸びていることくらい、許して!」サイボウズ青野社長と育児を語る<前編>

育休・産休をとれる会社が増えていると聞きますが、実際はどんなものなのでしょうか?ニュースでは耳にするけど、具体的な話はあんまり聞かないような…。

そんな中で、働くパパ、ママを全力で応援している、サイボウズという会社があることをご存知でしょうか?

サイボウズには育児・介護休暇があるのはもちろんですが、最大で6年間も取得することができたり、妊娠判明時から使える産前産後休暇があります。
また、育児、介護に限らず通学や健康など個人の事情に応じて、勤務時間を決めることができる制度もあるなど、子育てをしながら働く人には最高の環境です。

その結果、最大で28%あった離職率(一定期間で会社を辞める人の割合。100人のうち10名辞めた場合は10%)は、4%にまで下がりました。

このサイボウズを率いるのが、青野慶久社長、44歳。実は青野さん、3人のお子さんのパパであり、イクメン社長としても有名なのです。

「大丈夫」ムービーは、日常を切り取っただけ。みんな、ママのリアルを知らなすぎる。


雨宮みなみ

最近、【保育園落ちた、日本、●●!】ってブログがすごく話題になりましたね。TBSのニュース番組でも取り上げられていたくらいで。やっぱり御社のお子さんがいる社員の間でも話題になりましたか?

青野慶久

あれ、見ましたよ。全然、人ごとじゃなくて。僕らも育休中の社員の保育園状況、祈るように見てます。メンバーが職場に復帰できるのは、受かるか否かにかかってますからね。保育園って会社に復帰すると入りやすくなるのでサイボウズでは子どもを産んだ後でも、復帰しやすいように色々と制度を整備しています。

雨宮みなみ

福利厚生以外に、どのようなことに気をつけていますか??

青野慶久

復帰するときに、その人が得意な仕事が空いているかわかりません。例えば以前、営業をやっていた人が復帰しようとした時、そのポストが埋まっているかもしれませんよね?


なので、産休や育休に入る前に2つ以上の仕事を経験してもらっています。ひとつしか経験していないと、違う部署への配属となって、勉強しながら戻ってくるとなるので、社員にとっても負担が大きいかなと思います。

雨宮みなみ

それは社員の方のストレスも少なくなりますね!ブランクもありますから。

青野慶久

あとはそうですね、育休・産休中の人とは常に状況の把握が出来るようにしています。Facebookと同じような感じです。「1年間会ってないけど、ネット上で繋がっているから、なんか安心」みたいな。そういう、細かなケアで復帰への心理的ハードルを下げています。

雨宮みなみ

すごい細かなケアをされていますね。そんなサイボウズだからこそ、あの「大丈夫」をつくられたのでしょうか?


青野慶久

もうね、知らなすぎだよねって思って(笑)。正直、このムービーが話題になると思ってなかったんです。ただ、お母さんのリアルを描いただけです。あれくらいの小さい子どもを保育園に入れながら働くというリアルを。


だから、決して感動的につくったという気持ちはありません。もう一度言いますけど、あくまでリアルを描いただけ。淡々と日常を描いただけ。それなのにすごく拡散したから、むしろビックリしています。


ちなみに、野田聖子議員にも、何ヶ月か前にお会いした時に「見たわよ」って言ってもらえましたね(笑)。