保育と遊びのプラットフォーム[ほいくる]

「小さな一歩を大切に」ー宝保育園(東京都 品川区)

ほいくる編集部
掲載日:2014/07/09

今回訪れたのは…

品川区にある「宝保育園」(認可保育所)
壁に貼られた園歌の歌詞の写真


子どもたちの楽しそうな声が響き渡る保育園。
新築して3年目の園舎の中には、子どもたちの作品や、せんせい方の色々な工夫に溢れていました。

保育園に訪れたのは、午後の活動時間。

大型遊具で遊んだり、新聞あそびをしたり、手作りおもちゃを作ったり…。
各クラスそれぞれに色々なあそびを楽しんでいましたよ。

どのクラスに行ってもみんなニコニコと声をかけてくれる人懐っこさが印象的で、先生のお話によると、「宝保育園の子どもたちは人懐っこいね」と、よく言われるのだそう。



♪保育園のようす♪

園内で新聞遊びをする子どもたちの様子


乳児さんクラスでは素材を楽しむ新聞遊び。くしゅくしゅ、ビリビリ…

牛乳パックで作った遊具で遊ぶ子どもたちの様子


牛乳パックで作られた大型遊具に夢中!

遊具からジャンプする子どもの写真


幼児さんになると、遊び方もダイナミック…!

空き箱で作った車で遊ぶ子どもの写真


5歳児さんが見せてくれた、空き箱などの廃材を工夫しながら作った宝物。

ダンボールでおもちゃを作る子どもたちの様子を紹介したポスター


親御さんが取る保育園の入口付近の廊下には、子どもたちの遊びがわかるこんな手作りポスターが。

おもちゃカルテと背表紙に書かれたファイルの写真


職員室に、気になるファイルを発見!

0歳〜5歳まで、どのクラスにもあったのが、牛乳パックやダンボールで作られた手作りの大型遊具。
年齢によって形や遊び方が様々で、子どもたち自身がそれぞれに使い方をアレンジしながら遊び込んでいる姿がとても印象的でした。

そして、園内に貼られた「遊び方」の説明ポスターや、職員室で見つけた「おもちゃカルテ」…。
子どもたちの遊びや遊具についての保育園の取り組みなど、色々と聞きたいことがたくさん!

ということで、ズバリ、色々とお話を聞いてきましたよ。

▼保育園生活の中で、子どもたちがいちばんキラキラしているなぁと思う時はどんな時ですか?

ごはんを食べている時でしょうか…(笑)

宝保育園の子どもたちは、本当にみんなよく食べます。お昼寝もよくします。
たくさん遊び、よく食べて、よく眠る…当たり前のことですが、そんな自然な生活を子どもたちのリズムに合わせて楽しめるようにしています。

天気が良い日は、だいたいお散歩に行っています。乳児さんは特にお散歩が多いですね。

保育園の近くには、「林試の森公園」という、自然溢れる公園があるので、外あそびも充実しているんですよ。

▼せんせい方がワクワクする時はどんな時ですか?

うーん、写真整理をしている時でしょうか。

宝保育園では、よく保育の様子を写真におさめて保護者の方にお伝えしているのですが、日々の保育で撮った写真を整理したり、先生同士で共有し合う時は、みんなとても楽しそうです。

「こんな表情している!」「この時はこんな状況だった」など、職員同士で子どもたちの成長の様子やエピソードを共有している姿を見ると、「みんな本当に子どもが好きなんだなぁ」と感じます。

やっぱり、子どもの成長を共有できるよろこびが、日々の保育の楽しさやワクワクにつながるのではないかと思います。

▼宝保育園ならではの、3大特徴とは…?

まず1つ目は、“体つくり保育”ですね。
今、みんなで力を入れているのが、COE(コーディネーションエクササイズ)と言われる運動です。
運動・栄養・心を軸とした体つくり保育は、日常の活動やあそびの中から自然に取り入れることができて、子どもたちも楽しんでいることの1つとなっています。

そして2つ目は、“手作り大型遊具”。
毎日子どもたちの様子を見ている保育士ならではの視点から生まれる、ダンボールや牛乳パックなどの身近な素材で作った大型遊具が宝保育園にはたくさんあります。
室内でも身体を使ってダイナミックに遊べるので、子どもたちにも大人気です!
子ども同士がコミュニケーションをとりながら遊びを展開していく姿が見られるなど、主体性を育む保育にもつながっています。

3つ目は、“みんなで作りあげていく保育園“というところでしょうか。
宝保育園では、保育を介して、みんなが自分の想いを伝え合える保育園をめざしています。
保育後に職員同士での会話を楽しみながら自主的に作業したり学ぶ姿が見られるのですが、そんな環境も大切にしていきたいですね。
子どもの個性を大事にすると同時に、職員の個性やそれぞれの役割も大事にしたいと考えています。

ちなみに、職員室にあったあの“おもちゃカルテ”も、一人の職員が研修に行ったことがきっかけで取り入れた試みなのだとか。
カルテの中には、部屋にある遊具で子どもたちがどのように遊んでいるか、またどのように遊びが発展していっているかなどがまとめられていました!

「子どもたちの成長のために、今の子どもたちの姿を通してどんな保育ができるのか…という視点を大切にしています。」と園長先生。

▼最後に、保育園の中で大切にしていることを教えてください。

“小さな一歩”を大切にしています。
子どもの一歩も、保護者の一歩も、そして保育士の一歩も。
新しく踏み出す一歩や、気持ちを持って乗り越える一歩は、とても勇気のいる一歩ですが、そこから広がる世界はたくさんあります。
だからこそ、どんなに小さくても、その一歩を大切に受け入れられるような、そんな環境を大切にしています。

子どもを中心に、保育者も保護者もみんなで情報を共有し合いながら保育をしていく興味深い試みや環境づくりについて、たくさんお話を聞かせていただきました。

宝保育園のみなさん、どうもありがとうございました!

社会福祉法人大宝会 宝保育園
http://takara-hoikuen.kids.coocan.jp/


洗濯干しに吊るされた子どもたちの描いた絵の写真