保育と遊びのプラットフォーム[ほいくる]

コドモコトノハ「せかいじゅうの山 100m おおきな山です。」ゆうたん(5歳)

青山誠
掲載日:2013/11/20
その日、外では一日中冷たい雨が降っていました。
いっくんと、しょうちゃんが、部屋のすみっこに椅子を積みはじめました。

「たきびだ!たきびだ!」

どうやら、椅子を薪に見立てているようです。
赤い風呂敷、オレンジ色の風呂敷を、積み上げた椅子の間にぐいぐい入れこみます。

「ひが、ついた!」

「あつーい!」

さらに椅子を積み上げます。
うまく積まないと、ガラガラ崩れてくるので、そーっと乗せなければいけません。

椅子と椅子のすきまにも、いろんな物をどんどん入れこんでいきます。
おままごとの棚から、お皿と、コップと、やかんと、お医者さんセットを持ってきて、入れました。
タンスから、大きな布と、スカートと、ドレスと、ありとあらゆるバッグを持ってきて入れました。

そのうちに、他の子もやってきて、椅子もどんどんどんどん高く積まれていきます。
たき火はすごい勢いになりました。
あんまり高くて、あんまりものすごいので、まるでたき火じゃないみたいです。

高く積み上げられた椅子やカバンなどの写真

「これ、たきびじゃないな」

と、いっくんが言いました。
「じゃ、なににする?」

しょうちゃんが聞きました。
ゆうたんが「ちょっと、まってて」と言って、紙とペンを取りに行きました。

「はい、これ」

紙には、ゆうたんの字でこう書かれていました。

「せかいじゅうの山 100mおおきな山です。」

「やまだ!やまだ!」

いつきと、しょうちゃんは、山のまわりをぐるぐる回ります。
それから、箱いっぱいのカラーボールを持ってきて、山の上からざーっと流しました。

「たきだ!たきだ!」

せかいじゅうの山は、ぐらぐら揺れて今にも崩れそう。
でも、まだまだ高くなりそうです。

椅子などを積み上げられてできた山の写真