「ワクワクする毎日を。」_ 東江幼稚園(東京都葛飾区)

今回訪れたのは、東京都葛飾区にある東江幼稚園。学校法人東江寺学園が運営しています。
「人と関わる力」「しなやかに動かせるからだ」「自然から学ぶ体験」を大切な3本柱として掲げる東江幼稚園。どんな子どもたちの暮らしがそこにはあるのでしょうか。園見学とインタビューを通して、たっぷりとお届けします。
「今日はわざわざありがとうございます」
そう言って出迎えてくださったのは、園長の浅井正信さん。

園内に一歩足を踏み入れると、まるでジブリの世界に迷い込んだかのように、ふっと空気が変わるのを感じます。
その印象をつくっているもののひとつが、特徴的な園舎の造形です。設計・建築を手がけたのは、シュタイナー建築で知られる村山雄一さん。内部はすべて木造で、壁には珪藻土、塗料にはオスモの自然塗料を使うなど、建築素材にも自然なものが選ばれています。

また、子どもたちが穏やかに、落ち着いて過ごせるよう、自然でやわらかな光を大切にしているのも特徴のひとつ。照明は布で覆い、子どもに過度な刺激を与えないよう工夫されていて、園舎そのものが、子どもたちの過ごし方をそっと支えている。そんなことを感じさせる空間です。


「子どもの遊びの中心となる園庭は、ワクワクした場所でありたいなと思っています」そう話しながら、園庭を一緒に歩き、ひとつひとつの場所を紹介してくださる浅井さん。
東江幼稚園が目指すのは、遊び方があらかじめ決められた、わかりやすくて遊びやすい園庭ではないといいます。
大切にしているのは、「冒険心」や「想像力」を掻き立てられること。水や土、木々など、自然の資源をふんだんに使えること。火や高さ、工具などの「危険」も、むやみに遠ざけないこと。そして、子ども自身の創造性を存分に発揮できること。
私たちが見学をさせてもらった日にも、木登りをしたり、思いっきり水遊びをする子どもたちの姿や、自分たちで火をつけ、かまどでごはんを炊き、お味噌汁をつくる姿がありました。






また、東江幼稚園では、園庭を「完成させるもの」ではなく、保護者や子どもたちと一緒につくり続けていくものとして捉えています。
その一環として、父親の集まり「おやじ組」の保護者たちと年に一度、共に遊具づくりを行います。そうして少しずつ増えてきた園庭には、ユニークな名前のついた、子どもたちの好奇心や挑戦心を掻き立てるような遊具がたくさん並んでいました。




東江幼稚園の暮らし
自発活動と設定活動
自由に好きな遊びや興味のあることを見つけて取り組む時間だけでなく、「設定活動」の時間も大切にしている。
ただし、活動の進め方を大人が細かく指示するわけではなく、大人からの指示をできるだけ少なくすることで、子ども自身が考え、選び、決める余白を残している。


一人ひとりを祝う誕生会
誕生日当日に、その子ひとりをクラスの中でお祝いします。命について考えられる日になるようにという願いも込めて、誕生日の日に生まれたチャボの卵を、保護者の方が編んだ籠に入れてプレゼントしている。


じっくりお話しを伺ったインタビューは、後編でお届けします。
撮影:雨宮みなみ
この記事の連載
「なんでもありのようで、なんでもありじゃない」_ 子どもの「やってみたい」を支える、東江幼稚園の環境づくり
園を見学するなかで、特に印象に残ったのは、生き生きと遊び、思い思いにチャレンジする子どもたちの姿でした。
その姿を支えているのは、どんな環境や関わりなのでしょうか。
後編では、園長の浅井正信さんに、東江幼稚園の保育についてじっくりとお話を伺いました。
