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コドモコトノハ「こころのとびらが、しまってるの?」(あすか5歳)

青山誠
コドモコトノハ「こころのとびらが、しまってるの?」(あすか5歳)

初めてのリレーにのぞんだ、4歳のみうちゃん。どうしても走れません。

バトンを渡されると、ポイッと投げてしまったり、その場にしゃがみこんだりしていまいます。
同じチームの子どもや保育者は、励ましたり、手を引いたりして、なんとか走らせようとしますが、みうちゃんはがんとして動きません。

そんな時に、そばに寄っていったあすかちゃんがそっとみうちゃんにささやきました。

「こころのとびらがしまってるの?」

みうちゃんは、こくっとうなづきました。
あすかちゃんも、初めてのことにはとても慎重な人です。だからきっと座りこんでしまう、みうちゃんの気持ちが手に取るようにわかったのではないでしょうか。

リレーってなに?どうしていいかわかんない。やりたくない!それをこんなにぴったりな表現で言い表せるなんて、すごいと思いました。
 
そうかそうか、閉まってるのか。じゃあ、走れないよね。
でも、みうちゃんの心の扉、開くといいね、と子どもも大人も口々に言いあいながらその日のリレーは終えました。

あすかちゃんのおかげで、まわりの人にもみうちゃんの気持ちが手に取るように伝わったのです。

きっかけって不思議です。その後ほどなく、みうちゃんは自分から走るようになりました。
バトンを持って、まずは部屋の中をぐるぐる走り回りました。みんなに、すごい、すごいと褒められます。それから外でも思いきりよく、走りました。これまた拍手喝采!

その日、お家に帰ったみうちゃん。「みうのこころのとびら、ひらいた」と言ったそうです。

自分の心にぴったりと寄り添ってくれる言葉は、心の扉を開けてくれるのですね。

運動会の当日も、みうちゃんは思いきり走りました。心の扉は?とみうちゃんに聞くと、両手をぐいっとうしろに回して「ひらきすぎて、こわれた」とのことでした。



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