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「授業もテストもクラスもない学校」ー東京サドベリースクール(東京都 世田谷区)

ほいくる編集部
更新日:2021/10/28 掲載日:2015/06/16

今回訪れたのは…
世田谷区にある「東京サドベリースクール(一般財団法人)」。

授業もテストもクラスも無い、子どもたちが自分の興味・関心のある事だけに没頭できる、新しいタイプの学校です。
ここに先生はいません。常駐スタッフやボランティア、様々な分野で活躍するアドバイザーと呼ばれる大人が、子どもたちを見守り、要望がある時だけサポートしています。

設立メンバーであり、現在は代表理事を務めている杉山まさるさんにお話を伺ってきました。



杉山まさるさんの写真



乳幼児に対しては、色々な考え方・方針の施設やグループが増えていますが、小学生になると途端にその選択肢は少なくなってしまいます。
既存の学校制度に疑問を持つ子、大人の作った型にはまりたくない子に、新しい学びの環境を作りたい。
子どもと一緒に成長中の東京サドベリースクールとは一体どんなところなのでしょうか?

学校の様子

電車のゲームをする子どもの写真
小学2年生の彼は電車が大好き!毎日電車のゲームに熱中



テレビゲームをして遊ぶ子どもたちの様子
一緒に遊ぶことが出来るテレビゲームは、
子どもたちのコミュニケーションには欠かせない存在



読書をする女の子の写真
何時間でも本の世界に浸ってOK



バランスボールに乗る子どもの写真
今日は何をしようかな?を考え中~



パソコンで何かを検索する子どもたちの様子
ネットでなにやら検索中



窓辺でスマホをいじる男の子の写真
窓辺でスマホ




東京サドベリースクールでは登下校と15:00の掃除以外、時間割はありません。ひとりひとりが自由に時間を使う事ができ、お昼ご飯の時間さえ自分で決めます。
一日中ぼーっと過ごす事だってOKなんです。
何をするか、と同じくらい「何をしないか」が大切にされています。
開校7年目の現在は、小学校2年生から高校2年生までの14名が通っており、常駐スタッフ2名と非常勤スタッフ1名で子どもたちを見守っています。


東京サドベリースクールを始めたきっかけは?

20代の前半、初めて仕事をしていた頃、突然自分が何者なのか分からなくなってしまったんです。仕事をしてみて、「これは自分がしたいことじゃない」と気づいて…。
私は三人兄弟の長男として生まれたせいか、子どもの時から周りの大人に褒められる行動を無意識に選択していたのだと気づきました。

大人にとってのいい子になろうと思うあまり、自分自身の事を知らずに大人になっていました。
そこから自分探しを始め、宝石販売やお菓子屋さん、パントマイムなど色んな仕事や活動にチャレンジしてみました。
何に心が躍り、どんな事を嫌だと感じるのかを体感していったんです。

その中で、子どもが好きだった事を思い出し、託児施設や学童館の立ち上げ、中学校の部活コーチをする中で、子どもと関わる仕事を続けてきました。
たまたまテレビ番組でアメリカのサドベリースクールの事を知って、直感的にこれだ!と思ったんです。
現地に足を運び、サドベリースクールで学ぶ子どもたちや卒業生、関係者と交流し、サドベリー教育を日本でもやろう、と決意しました。

サドベリー教育の特徴はなんですか?

もっとも根本にある考え方は、「人は、本当にやりたい、必要だと感じたときに一番よく学ぶ」ということです。

読み書きや計算をこの先必要になるから、と先回りして教えるのではなく、本やゲームをやりたいから字を覚える、お菓子を買う時に必要だったから計算をやってみる、というように、やりたい動機が子どもたちにはっきりした時点で始めればいい、という考え方が一番の特徴です。
また、学校運営に関する要望や自分の希望などがある場合、生徒とスタッフのミーティングで話し合って決めています。

例えば、新しい本棚を作りたいので運営費から材料費を捻出できないか、部屋が汚いからそうじのルールを作ってはどうか、取材依頼が来ているがこの人たちを受け入れるか、新しいスタッフを採用するにあたってどんな人に来てほしいか…など。

生徒たちは、基本的にみんな違う考えを持っている、という意識が強いので、お互いの意見を聞き、なにが最善なのかを考えていきます。
日々よく話し、コミュニケーションを密に取っているのがサドベリーに通う子どもたちの特徴だと思います。

女性スタッフの写真
スタッフは生徒たちからニックネームで呼ばれている



子どもたちと過ごす中で大切にしていることはなんですか?

生徒にも、私にも言える事ですが、自分自身と向き合うことを大切にしています。
感情や、物事の好き嫌い、心の奥底で自分が欲しているのは何だろう?と常に感じ、考える。
自分の心と向き合ってはじめて行動できると考えています。

ここでは大人が課題を与えてくれないので、退屈過ぎて泣いてしまう子もいます。
やることが見つからなくてつらい…と、こぼす生徒も多いですよ。でも、これが一番大切。

自分自身と向き合わざるを得ない時間を過ごし、周りには好きなことに熱中する友達がいる環境で、自分で一歩を踏み出さなければならない。

みんなそれぞれ好奇心を持って生まれてくるはずだから、自分は何者なのか、何がしたいのかという苦悩を子ども時代に経験することで、自己肯定感が強く自分自身で人生を切り開いていける大人になれると思っています。

大変だと感じる事はありますか?

大人が手助けすればすぐ出来ることを、ぐっと我慢することですね。
生徒一人一人に気を配りつつ見守るのは、結構体力使うんですよ。
子どもたちが苦労して自分自身で乗り越えていくのを、時間をかけて見守っています。

また、学校作りは初めてなので運営は大変だと感じます。
ただ、経営は私一人ではなく、生徒たちや親御さんと一緒に考えながら行っているので、関わるみんなと学校も成長中です。

経営メンバー募集のポスターの写真
学校運営の収支は生徒・保護者全員に公開されている。
生徒が減っても経営を続けていける方法をみんなで議論している。



最後に…「夢」を聞かせてください

子どもたちが、学びの場を選べる社会にしたいです。
子どもは、住む場所も学校も先生も選べない。6歳以降の過ごす場所は限られている。

小学校、中学校という既存の学校制度以外にも様々なスタイルの学びの場所があることを広めていきたい。
その一歩として、東京サドベリースクールの運営を続けることと、子どもが当たり前に自分に合った学びの場を選べる法律作り(多様な学び保障法を実現する会(※))に取り組んでいます。

自分自身という人間の根っこの部分を、子ども時代にしっかり育てることこそ生きていくために大切なのではないか?
そんな熱い想いが伝わってきました。
東京サドベリースクールのみなさん、ありがとうございました!

どんな学校なのか関心を持たれた方は、こちらのリンク先をご覧くださいね。

一般財団法人 東京サドベリースクール

代表理事 杉山まさる
http://tokyosudbury.com/

※多様な学び保障法を実現する会
http://aejapan.org/wp/

男の子の写真

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