子どもの味覚につながるおもしろ体験〜“だし”に隠されたヒミツ!〜
そもそも“だし”ってなぁに?何で作るの?
おいしさだけじゃない、“だし”に隠されたヒミツと大切さの意味を、おもしろ研究で体験しながら楽しむ方法をご紹介。
食育の一環としてもオススメ◎
材料
・鰹節
・昆布
・にぼし
・しいたけ
体験(研究あそび)内容
1、導入
まず初めに、もんだいなどをきっかけに、みんなで“だし”について話し合ってみよう。
もんだい(1)“だし”って一体なぁに?
もんだい(2)では、“だし”は何からできている?
2、観察
実際に、だしにつかう食材を観察してみる。
硬さは?匂いは?何か気になるところや発見はあるかな?
何からできているんだろう!(海のもの?山ものも?畑で採れたもの?)
3、考えてみよう!
どうやってだしを取るか考えてみよう。
焼く?そのまま入れる?小さく切って混ぜる?
4、いよいよ実験
全ての食材でなくても良いので、いくつかの食材からだしを取ってみよう。
・かつおだし
かつおだしのとり方
水を火にかけ、沸騰直前にかつお節を加える。
鍋にふたをしないで沸騰度火を弱め、約1分間の間に火からおろし、ザルでこす。
◆かつおぶしとは
かつおぶしは、かつおという魚の身をゆでていぶし、かびをつけて醗酵させたものです。
かびをつけるのは、魚のにおい(と脂肪分)を減らして、味と色つやをよくするためなんだって。
かたくなったかつおの身を削ったのが、かつおぶしです。
・にぼしだし
煮干しだしのとり方
煮干しの頭と腹わたを取り除き水に30分浸す。
中火にかけ、沸騰直前に弱火にして10分煮立てながら表面のアクを取り除き、ザルでこす。
◆にぼしとは
かたくちいわしの稚魚(赤ちゃん)を煮て干した「いりこ」が一般的です(保育園のおやつにも出るかな?)。
他にも、小さいまあじを煮干しにした「豆あじ」や、とびうおを煮干しにした「あご」でだしをとることもあります。
・こんぶだし
こんぶだしのとり方
こんぶの表面を布巾でさっとふき、ほこりを取り除き30分水に浸す。
火をつけ、沸騰直前にこんぶを取り出す。
◆こんぶだしの旨味
こんぶだしには、「グルタミン酸」というおいしさの素が入っています。こんぶが海の中で生きている時には外には出ませんが、海からあげて天日干しすると、グルタミン酸を閉じ込めていた膜が壊れるので、だしを取る時に水に入れると、おいしさの元になるグルタミン酸がでてくるんだって。
・干ししいたけ
干ししいたけの戻し方
干ししいたけの戻し汁もだしとして使用できます。
干ししいたけの表面を布巾でさっとふき、ボールに水を入れ3〜5時間浸します。
水面にぴったりとラップをすると均一に戻ります。
◆干ししいたけの種類
干ししいたけには、肉厚でかさの閉じている「冬茹(どんこ)」、薄くてかさの開いている「香信(こうしん)」、その中間にあたる「香茹(こうこ)」という種類があるんだって。
聞いたことあるかな?
5、研究してみよう!
だしの色や、匂い、味を比べてみよう!
違いはあるかな?
★乳幼児期に“だし”に触れる大切さとポイント
味覚には甘味、塩味、酸味、苦味、旨味の5原味があります。
その中で、甘味と旨味は人間が本能的に好む味だといわれており、塩味、酸味、苦味は学習して覚える味なので味覚学習が必要になります。
この味覚学習によって味付けの好みや好き嫌いが生まれるのですが、この味覚学習に最適な時期が離乳時期や幼児期ということをご存知ですか?
この時期にしっかり味覚学習をすることで、肥満や生活習慣病予防にもつながるため、人生の土台とも言える今の時期に学習をすることは、生涯の健康にもつながるのです!
子どもたちは、ごはんを食べる時に「味わって食べる」ことができていますか?「ただ食べる」だけになっていませんか?
「味わう」ことが意識できるようになると、スープの具を見せなくても、スープを飲んだだけでどんな野菜が入っているか、甘みなどでわかってきます。
じっくり「味わう」きっかけとして、まずは人間が本能的に好む「旨味」を味わってみよう!ということから、今回日本料理にとても身近な「だし」について触れました。
日々の給食などにはどんなだしが使われているか子どもたちと考えたり、調理室に確認しに行くなどして「味わう」楽しさや興味が深まっていくといいですね。
おまけ☆いろいろな乾物実験!
今回のだしは、海藻、魚、きのこが乾燥された“乾物(かんぶつ)”を使いました。
他に“乾物”といわれるものにはどんなものがあるかな?
◆乾燥わかめ・・・塩蔵の乾燥わかめは茹でて塩をまぶし一晩水につけ、さらに塩抜きして一口大に切った物を乾燥させたもの。
◆高野豆腐・・・豆腐を凍らせた後に自然解凍させたもの。豆腐でできているということは大豆からできている。他に大豆からできる物は何があるだろう。
◆寒天・・・てんぐさという海藻からできています。てんぐさの加工品にはところてんもあります。
◆切り干し大根・・・切り方はいろいろありますが大根をせん切りして天日に干したもの。
◆春雨・・・緑豆のでんぷんを原料とした緑豆春雨とじゃがいもでんぷんやさつまいもでんぷんを原料とした春雨があります。
◆麩・・・小麦粉からとれるグルテンを蒸して焼いたもの。形により様々な名があり、今回は小町麩を使用しました。
ここで問題♪
それぞれ、何からできているでしょう?みんなで話し合ってみよう。
寒天の原料は何かな?
切り干し大根はどうやってできているのだろう?
春雨は?麩は?
他に乾物はどんな物があるかわかるかな?きくらげ、桜えび、干し芋、かんぴょう、ひじき・・・
給食でよく使われる食材を使うと給食で出てきたときにもう一度みんなで振り返るのも、食材に興味を持つきっかけになって楽しいですね。