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りんごの木のミーティングは、答えをひとつ出すためではなく、個を際立たせるためにある

掲載日:2015/07/08

りんごの木が大切にしていることは何ですか?

大人も子どもも、自分が自分であること、他人に左右されないことです。
身につけているものや、持ち物も自由ですが、やっぱりトラブルも起こったりします。

でも、ルールって、すごく無機質なものだと感じるんです。
決めるのも、守らせるのも簡単だと思いますが、思考がそこでストップしてしまう気がするんですよね。

たとえば、誰かが園に飴を10個持ってくる。そうすると飴をもらえる子ともらえない子がでてきたり。仲がいい子にはあげるけど、仲が良くない子にはあげないとか。
そういった時に“ミーティング”をします。

僕らがやりたいのは「飴を持ってこないようにしよう。」というルールを決めたいのではなく、モラルを考えたいと思っているんです。

飴をもらえなかったら相手はどんな気持ちになるのか、自分の行動が思いもよらない相手の気持ちを引き起こしてしまう、そういう相手の気持ちを生で受け取ることが経験だと思っています。

経験なくして、勝手にルールは決められないですよね。経験してから、どうするか。
最後の結論は自分で決める、ということも大切にしていることですね。

ミーティングの様子


“ミーティング”について教えてください

個を際立たせるためにやっていることが“ミーティング”です。
個を出すことで、他者との違いがはっきりします。「みんな違うよね」って。

意見が出る子もいればできない子もいますし、黙っていてもいいんです。
発言しているかしてないかよりも、考えているかどうか、ということを大切に考えています。黙っていても、一生懸命考えている子は顔をみればわかりますよね。

はじめはみんなが答えやすいような質問を投げかけたり、考える土台を作る必要はあると思っています。あとは、絵に描いて視覚化したり、再現してみせるとか、そうすると集中できるきっかけになります。

たとえば、言葉で表現するのが困難な子も、指を指すとか身体表現をしたり、その子が発言できなくても周りの誰かが気持ちを受け取って、考えたり、発言したりするんですよね。

“ミーティング”は会議ではなく、寄り合いに近いものなんです。寄り合い所って誰が来てもいいし、発言しなくてもいい。ただみんな顔を合わせて寄り合って、それからそれぞれを受け取り合うことができたらいいなと思うんです。

ミーティングの様子