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ヤマガラのヒナを観察してみたら

吉田麻理子
掲載日:2024/06/05
ヤマガラのヒナを観察してみたら
北海道から沖縄に住む留鳥のヤマガラ。
黒い頭と褐色の腹、「ビービービー!」という元気な鳴き声が特徴です。
4月に我が家のアラカシの木に、ヤマガラの夫婦が営巣をしてから、子育ての様子をそっと見守っています。
今回は、そんなヤマガラ親子の観察日記をご紹介します。

エピソード

4月の半ばに、我が家のアラカシの木にヤマガラが営巣を始めました。
親鳥たちが出たり入ったりする様子がみられていたのですが、4月も終わりになると、巣の方から「ピーピーピー」という、かわいい声が聞こえるように。
どうやらヒナが誕生した様子。
「ピーピーピー」の声はだんだんと大きくなり、親鳥たちも慌ただしく、小さなバッタや芋虫をくわえて、1日に何度も巣を出入りするように。

そして5月の初旬、ついにヒナたちは巣から一羽ずつ飛び立ち、巣立ちました。
5月の末、娘と少し寂しくなった庭を眺めていると、アラカシの木に二羽のヤマガラがとまっています。
「ピーピーピー!」と大きな声で鳴くヤマガラと「ビビビー・ビー!」と鳴きながら、慌ただしく虫をつまんで、大きな声のヤマガラに与えにいくヤマガラ。
先日巣立ったヒナと親鳥が、二羽で我が家の庭に来ていたのでした。

ヒナと親鳥を観察していると、その体色の違いや、びっくりするような仕草、まだまだ甘えん坊な様子が観察できました。

使うもの

  • 撮影にはスマホのズームレンズを使用しました。


観察の様子

巣立ったヤマガラのヒナはこちら。少し緑がかった、灰色をしています。

こちらの左にいるのが親のヤマガラ。胴はオレンジ・頭は黒と、ヒナよりコントラストの強い色をしています。

こちらを見るヒナ。ふっくらしたお顔がとても可愛いです。

「ピピピ・ピピピ!」と餌をねだると、親鳥が虫をくわえて来てくれました。

ごはんを食べて元気が出たのか、今度は別の木にとまって、垂れ下がっている細い枝を…

「えい!」と引っ張ってみたり…

今度は、葉っぱの付いている細い枝に逆さまにとまったと思ったら…

体重をかけて…

ユッサユッサと動かしています!
まさに、なんでも気になる、好奇心旺盛という雰囲気。
私は7年間成鳥のヤマガラを観察していますが、こんなことをしているところは見たことがありません。
ヤマガラのヒナも、人間の子どものように遊ぶんだなぁ、と驚きました。

すると、またお腹がへったようで
「ピピピ・ピピピ!」と大きな声で親鳥を呼びます。

すぐに親鳥が、虫をくわえてやってきて…

食べさせてあげていました。

一生懸命枝をつついて、ヒナが自分で食べ物を探そうとしている様子も見られました。
元気に大きくなりますように。

ポイント

野鳥を観察するときのコツを3つお伝えします。

1. 動かずじっとしている。木や岩になった気持ちで。立っているより座っている方が、野鳥が警戒しません。壁や大きな木がある時は、それを背にして座ったり、顔だけ出して隠れるのも良いでしょう。

2. 大きな声を出さない。どうしても話したい時は、内緒話をするくらいの小さな声で。人間を警戒して営巣や子育てを放棄してしまうこともあるようなので、あまり近づき過ぎないようにしましょう。

3. 目や顔だけ動かして、カサカサと音がするところ、鳥の声がするところを見てみましょう。鳥が遠くにいる場合は、双眼鏡や、スマホカメラのズーム機能を使うのもおすすめです。

この3つを守ると、野鳥の色々な仕草を観察することができます。

ヤマガラの巣立ったばかりのヒナは親鳥と違った色をしていますが、スズメのヒナやカルガモのヒナは親鳥と近い色をしています。
離れた場所から観察してみると、子育ての様子が見られるかもしれません。