絵本『にじ』〜ほいくる編集部のおすすめしたい一冊〜
「にわの シャベルが いちにち ぬれて」
思わず口ずさんでしまうこの歌は…
そう、「にじ」。
子どもから大人まで、 たくさんの人に親しまれ歌い継がれている一曲です。
新沢としひこさんが紡いだこの詩の世界が、 優しく美しい情景とともに描かれた絵本があります。
ぜひ歌といっしょに味わってほしい、絵本『にじ』をご紹介します。
絵本『にじ』
『にじ』
詩:新沢 としひこ/絵:あべ 弘士
出版社:アスク・ミュージック
サイズ・ページ数:14×23cm/32ページ
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表紙の空いっぱいにかかっているのは、大きなにじです。
その下の大地をかけまわっている、犬と男の子。
にじはこんなふうに、いつも当たり前に私たちの上にある…ものではないこと。
絵本のページをめくるごとに、すこしずつ沁み入ってきます。
にわの シャベルが いちにち ぬれて
あめが あがって くしゃみを ひとつ
せんたくものが いちにち ぬれて
かぜに ふかれて くしゃみを ひとつ
庭のシャベル、洗濯ものも濡れている。
楽しみにしていた遠足は、一日延びてしまった。
どんより雲、雨ふりの天気。
草花や虫たちは生き生きとして、恵みの雨を歓迎しているかのよう。
でも人のこころは、雨もようを受け入れられない日も、きっとありますよね。
これまで口ずさんできた「にじ」の情景が、ページいっぱいに広がります。
歌詞の世界をよりあざやかに感じられるのは、新沢さんのことばに、絵本作家・あべ弘士さんの絵の力が加わったからかもしれません。
絵本『にじ』に寄せて〜新沢としひこさん、あべ弘士さんより〜
新沢としひこさんからのメッセージ
昔、僕は保育園で働いていました。
雨が降る日に、ぼんやりと園庭を見ていたら、 子どもたちが使った遊具や、 片付けそこねたおもちゃなどが目に入りました。
忘れられて、さみしそうに雨に濡れている情景が心にのこり、 やがてこんな歌詞になりました。
中川ひろたかさんが素晴らしいメロディーをつけてくれたおかげで たくさんの子ども
たちに歌ってもらえるようになり、幸せに思っています。
絵本作家のあべ弘士さんが絵を描いて「にじ」 の絵本も作ってくれました。 歌詞をそのまま絵本の言葉にしてあるのに、 別のストーリーが流れているような不思議で素敵な絵本になってい ます。
「にじ」の歌を歌いながら、読んでいただけたら嬉しいです。
▶「あべ弘士しか知らない 絵本『にじ』のもう一つの物語』(YouTube)
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雨が上がり、風が吹き、雲が流れ、見上げてみれば…
空には、にじが。
犬とかけまわっている男の子は、どこか清々しく、うれしそう、 楽しそう。
日々は、この絵本に描かれる空のように、 晴れる日もあれば曇る日もあるけれど。
「きっとあしたは、いい天気」
口ずさむように読んでみると、 ポンと背中を押してもらえるような気持ちになります。
巻末には、歌「にじ」の歌詞とメロディ譜が付いています。
歌いながら読んでみたり、登場人物にこころを重ねてみたり、大切な人に贈ったり。
自分らしく楽しんでいただけたら。
読む人のこころにも、大きなにじをかけてくれるような一冊です。
『はじめのいっぽ』『ともだちになるために』『だれかがほしをみていた』スケッチブック絵本シリーズより〜ほいくる編集部のおすすめしたい絵本〜
『にじ』のほかにも3冊あり、それぞれ、歌のように優しく、美しい絵本です。
今回はこの「スケッチブック絵本」シリーズの3冊の絵本についてご紹介したいと思います。
絵本『にじ』はHoiClueオンラインストアで販売中です
HoiClueオンラインストアは2022年7月29日をもちまして閉店いたしました。
長い間のご愛顧、どうもありがとうございました。