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絵本『にじ』〜ほいくる編集部のおすすめしたい一冊〜

竹原 雅子
更新日:2022/07/29 掲載日:2021/03/18
絵本『にじ』〜ほいくる編集部のおすすめしたい一冊〜

「にわの シャベルが いちにち ぬれて」

思わず口ずさんでしまうこの歌は…
そう、「にじ」。
子どもから大人まで、 たくさんの人に親しまれ歌い継がれている一曲です。

新沢としひこさんが紡いだこの詩の世界が、 優しく美しい情景とともに描かれた絵本があります。
ぜひ歌といっしょに味わってほしい、絵本『にじ』をご紹介します。

絵本『にじ』

『にじ』

詩:新沢 としひこ/絵:あべ 弘士
出版社:アスク・ミュージック

サイズ・ページ数:14×23cm/32ページ 

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表紙の空いっぱいにかかっているのは、大きなにじです。

その下の大地をかけまわっている、犬と男の子。
にじはこんなふうに、いつも当たり前に私たちの上にある…ものではないこと。
絵本のページをめくるごとに、すこしずつ沁み入ってきます。

にわの シャベルが いちにち ぬれて
あめが あがって くしゃみを ひとつ

せんたくものが いちにち ぬれて
かぜに ふかれて くしゃみを ひとつ

庭のシャベル、洗濯ものも濡れている。
楽しみにしていた遠足は、一日延びてしまった。

どんより雲、雨ふりの天気。
草花や虫たちは生き生きとして、恵みの雨を歓迎しているかのよう。
でも人のこころは、雨もようを受け入れられない日も、きっとありますよね。

これまで口ずさんできた「にじ」の情景が、ページいっぱいに広がります。

歌詞の世界をよりあざやかに感じられるのは、新沢さんのことばに、絵本作家・あべ弘士さんの絵の力が加わったからかもしれません。




絵本『にじ』に寄せて〜新沢としひこさん、あべ弘士さんより〜

新沢としひこさんからのメッセージ

昔、僕は保育園で働いていました。
雨が降る日に、ぼんやりと園庭を見ていたら、 子どもたちが使った遊具や、 片付けそこねたおもちゃなどが目に入りました。
忘れられて、さみしそうに雨に濡れている情景が心にのこり、 やがてこんな歌詞になりました。

中川ひろたかさんが素晴らしいメロディーをつけてくれたおかげで たくさんの子ども
たちに歌ってもらえるようになり、幸せに思っています。

絵本作家のあべ弘士さんが絵を描いて「にじ」 の絵本も作ってくれました。 歌詞をそのまま絵本の言葉にしてあるのに、 別のストーリーが流れているような不思議で素敵な絵本になってい ます。
「にじ」の歌を歌いながら、読んでいただけたら嬉しいです。


「あべ弘士しか知らない 絵本『にじ』のもう一つの物語』(YouTube)

***

雨が上がり、風が吹き、雲が流れ、見上げてみれば…

空には、にじが。

犬とかけまわっている男の子は、どこか清々しく、うれしそう、 楽しそう。

日々は、この絵本に描かれる空のように、 晴れる日もあれば曇る日もあるけれど。

「きっとあしたは、いい天気」

口ずさむように読んでみると、 ポンと背中を押してもらえるような気持ちになります。

巻末には、歌「にじ」の歌詞とメロディ譜が付いています。
歌いながら読んでみたり、登場人物にこころを重ねてみたり、大切な人に贈ったり。
自分らしく楽しんでいただけたら。

読む人のこころにも、大きなにじをかけてくれるような一冊です。

『はじめのいっぽ』『ともだちになるために』『だれかがほしをみていた』スケッチブック絵本シリーズより〜ほいくる編集部のおすすめしたい絵本〜

『はじめのいっぽ』『ともだちになるために』『だれかがほしをみていた』スケッチブック絵本シリーズより〜ほいくる編集部のおすすめしたい絵本〜

子どもたちに向けた新沢としひこさんの歌にあべ弘士さんが絵を添えた絵本が「スケッチブック絵本」シリーズ。
『にじ』のほかにも3冊あり、それぞれ、歌のように優しく、美しい絵本です。

今回はこの「スケッチブック絵本」シリーズの3冊の絵本についてご紹介したいと思います。

絵本『にじ』はHoiClueオンラインストアで販売中です

HoiClueオンラインストアは2022年7月29日をもちまして閉店いたしました。
長い間のご愛顧、どうもありがとうございました。