保育と遊びのプラットフォーム[ほいくる]

「今日は、何して過ごそうか?」からはじめよう。ー うみのこ(神奈川県逗子市)

三輪ひかり
掲載日:2021/01/14
「今日は、何して過ごそうか?」からはじめよう。ー うみのこ(神奈川県逗子市)

今回訪れたのは、神奈川県逗子市にある“一般社団法人そっか”が運営する保育園、「うみのこ」。

私(ライター三輪)が保育士をしている保育園で、ほいくるでも「ごはんを食べながら」という連載の舞台になっていたり、

たっぷり遊び、笑い、泣き、戸惑い、時にぶつかりあって、また遊ぶ。そんな子どもたちが一日のなかで一度立ちどまる、「お昼ごはん」の時間。

仲間と食卓を囲み、ごはんを食べながらおしゃべりをする。その時間で子どもたちは、お腹だけでなく心も満たす。

『ごはんを食べながら』は、そんなお昼のおしゃべりに耳を澄ませる企画です。

「いただきます」のその先に。どんなやりとりが広がっているのだろう?

リトルプレス『こどもこなた』でも、「カメラを持って、出かけてみたら。」という企画に登場しています。

今回、そんな「うみのこ」の日常をお届けできたらと思い、取材をしてきました。


うみのこの暮らし

「うみのこ」は、2018年にできた認可外保育施設。
逗子の山と海に囲まれた小さな古民家で、3歳〜6歳までの26人の子どもたちが暮らしています。

登園してきた子どもたちが思い思いに時間を過ごしたあとは、丸くなって朝の集い。「今日はどんなことをして過ごしたい?」という問いかけと共に、一日がスタートします。

この日は、裏山への散歩とうみのじどうかん(園舎)に分かれて過ごすことになりました。



山へ出掛けた子どもたちは、急な斜面を登って天然のすべり台をしたり、

鬼ごっこや木登り。
遊具がなくても、自然のなかでたっぷりと遊びます。



園舎の中では、食堂のスタッフと絵本を読む子どもたち。

「出汁ってなんだろう?」という疑問から、出汁の研究が始まります。
昆布、鰹節、煮干し、干し椎茸。どの出汁のどの組み合わせが美味しいか、みんなで飲み比べていました。

そこから、「おいしい!」と気に入った昆布と鰹節の合わせ出汁で味噌汁と、出汁がらをつかってふりかけ作り。

ちょうど給食が出来上がった頃、散歩へ出掛けていた子どもたちがお腹をすかせて帰ってきます。

みんなでお昼の時間にしよう。

子どもたちがつくった、味噌汁にふりかけ。
“つくる”も経験すると、美味しさもひとしおです。

そうそう、このお昼の時間に聞かれる会話がいつもとっても面白いんです。


よかったら、こちらの記事も合わせてぜひ。
子どもたちのおしゃべりに耳を傾けてみてください。

コラム「ごはんを食べながら」



うみのこのこだわり

【自然の中でたっぷり遊ぶ】

逗子の森里川海が子どもたちの遊びのフィールド。
毎日移り変わる自然のなかで四季を感じながら、五感をつかってたっぷりと遊びます。

【つくって、とって、食う!】

海で釣った魚や山で採った山菜、庭で育てた野菜をいただく。
調味料となる味噌や醤油、塩も自分たちでつくっています。

【地域のなかで暮らす】

地域のさまざまな大人がつながり、子どもたちを共に見守ってくれている。
夏頃には、近所にあるローカルフードビストロ「OHANAYA」が、作ることや食べることに興味を持っている子どもたちをランチに招待してくれました。


***


園を地域へ開き、町の中、自然の中で子どもたちが暮らす「うみのこ」。
どんな想いからはじまり、今の園の形態になっていったのか。
じっくりとお話を伺ったインタビューは、後編でお届けします。


文・写真:三輪 ひかり



この記事の連載

「私の子どもから、私たちの子どもたちへ。」地域の中で食べて・つくって・遊ぶ、“うみのこ”の暮らし。

「私の子どもから、私たちの子どもたちへ。」地域の中で食べて・つくって・遊ぶ、“うみのこ”の暮らし。

今回訪れたのは、神奈川県逗子市にある“一般社団法人そっか”が運営する保育園「うみのこ」。
園を地域へ開き、町の中、自然の中で暮らす「うみのこ」の子どもたち。どんなことを大切にしながら日々の暮らしをつくっているのか。
“一般社団法人そっか”代表の小野寺 愛さんと、うみのこ園長の山ノ井 怜生さんにお話を伺いました。