【書籍紹介】『保育の世界がまるっとわかる(笑)マンガ じんぐるじゃむっ』
ほいくる編集部がおすすめする一冊、今回は『じんぐるじゃむっ』(小学館)。
困ったことや大変なこと、涙があれば笑いもあり…
保育現場の先生などへの取材をもとにして描かれたコミック、ときに保育の社会問題にも触れられていて、ふっと肩の力を抜いて楽しみながらも学びが多い一冊です。
この書籍について
書籍名:「保育の世界がまるっとわかる(笑)マンガ じんぐるじゃむっ」
作:おおえだ けいこ、監修:汐見 稔幸
出版社:小学館
こんな人におすすめ
・保育実習や就職を前に、現場についての関心が高まっている学生さん
・保育者になったばかりの方や、現役保育者のみなさん
・最近保育の仕事にちょっと疲れているな…と感じる現役保育者さん
・保育園や幼稚園に子どもを通わせている親御さん
ほいくる編集部のおすすめポイント
現場取材をもとにしたエピソードが40こ以上、コミックタッチで読みやすい
たくさんの保育者や関係者に取材した本当のできごとをもとにコミックタッチで描かれたこの本、とにかく園での子どもたちや保育者の日常を“リアル”に知ることができます。
マンガとしての笑いが随所に盛り込まれているので、楽しみながら読める点もおすすめ。
たとえば子どもの「かみつき」エピソードが描かれた、「愛をください〜悩ましきかみつきの物語〜」。
3歳児のアキラくんに噛みつかれたり呼び捨てにされたりして悩んでいる、若手保育士のマキコ先生のおはなしです。
お友だちとも激しいケンカをするアキラくん、マキコ先生がどうしたらいいかわからずに焦っていたとき、先輩の保育者がアキラくんにとった対応は…
「わかるなぁ」「なるほど…」
描かれている40こものエピソードは、笑いがありながらも、共感したり、気づきや学びがあったりします。
保育のテーマや課題について、わかりやすい解説やアドバイスが
保育者がぶつかる迷いや悩み、それらがコミカルに描かれながらも、ちゃんと問題提起や解説やアドバイスが載っているのも、この本の特徴です。
たとえば先ほどの、マキコ先生のエピソードについてのコラム。
子どもが『「試し行動」で愛を測る』ことをテーマに、噛みつきを減らす具体的な方法や、問題行動の背景にある子どもの気持ちをわかりやすく紐解いています。
読んだ後に、自身の保育や子どもたちの様子を振り返るきっかけになりそうです。
園を支える、さまざまな立場の人のことを考えられる
マンガのなかには、保育者を中心に園の事務員さんや園医さんや看護師さん、保護者など…園や子どもを取り巻く様々な人たちが登場します。
これから保育者になることを志望している人、保育現場から離れていたけれどそろそろ戻りたいな、と思っている人などには、現場での保育を疑似体験できそう!
また現役保育者のみなさんは、追われるような忙しい日々を、楽しみながらも客観的に振り返るきっかけになりそうです。
監修は汐見稔幸先生。保育士目線に立った内容や保育の歴史など学びもいっぱい
この本は、もともと保育者・保護者向けの交流誌『エデュカーレ』に8年間掲載されていたマンガがまとめられたもの。
監修には『エデュカーレ』編集長でもあった汐見稔幸先生が、コラムの作成は公立保育園元園長先生が入り、保育者の目線にあわせた内容になっています。
巻末には、保育原理を生み出した「保育の父」なる偉人たちの話や、現代までの保育研究の流れなどがマンガになっていて、保育の歴史も学ぶことができます。
出版社からの内容紹介&目次
東京大学名誉教授である汐見稔幸先生が全面監修。いま、保育の現場で何が起きているかが読みやすく、おもしろく理解できます。
また、保育の父であるルソーや倉橋惣三をモチーフにしたマンガなど、お勉強的な内容もあり、読後はかなり保育の知識がアップしているはず。
【目次】
Part1
保育はタイヘン!でも楽しい!園でふんばる保育者たちの物語
Part2
保育者だけでは回らない 保育を中から外から支えてる仲間たちの物語
Part3
見えないようでいるんだよ 保育の原理を生み出した偉人たちの物語
保育の世界がまるっとわかる(笑)
マンガ じんぐるじゃむっ
作:おおえだ けいこ 監修:汐見 稔幸
定価:本体1000円+税
判型・頁:A5判/160ページ
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保育の実際で最も大事なことは、困ったな、と思ったときにみんなで懸命に考えることでしょう。
この本は現場で起こっていることをもとに、こうしたら合理的に解決していけるという考え方をコミックタッチで明らかにした、新しい保育応援本です。
本の帯文にこう書かれている、汐見先生。
現場の保育者ではないおおえださん(作者)だからこそ、一歩外から客観的に保育の世界を見ることができ、日ごろ保育の中にいる人たちが気づきにくい問題を取り上げることができたのでは、とも語っています。
一生懸命に子どもたちに向き合う毎日を、コミックを通してちょっと引いた目で楽しみながら、振り返ったり考え直したりすることができそうな一冊です。