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パパになったら見えてきた!メルカリ小泉さんに聞く、子育てしやすい社会ってナンだ?<後編>

ほいくる編集部
掲載日:2016/03/28

保育園に入れることに全く不安はないんですよね。自分にいい思い出しかないからかも。


雨宮みなみ

小泉さん自身、お子さんを授かって変化した部分ってありますか?

小泉文明

とにかく毎日楽しいですよね(笑)。家の中の会話も増えるし、笑顔も増える。両親との関係も変わったように思えます。写真や動画を共有するアプリで子どもの様子を送っているんですけど、親もスゴく楽しみにしているみたいです。

雨宮みなみ

仕事やライフスタイルの変化は大きかったですか?

小泉文明

それは変わりますよね。まず時間の使い方が変わる。生まれる前までは、自分の好きな時間に仕事をして、という感覚でしたけど、当然いまは子どもが中心になりますよね。


とにかく規則正しくなりましたし、朝起きるようになりました(笑)。土日も含めて朝は7時に起きて、毎日子どもをお風呂に入れています。夜はどうしても会食とかが入ってしまいますから、我が家では朝が家族の時間です。まさかこんなに朝が充実するとは思いませんでしたね。

雨宮みなみ

保育士という仕事って、日々たくさんの子どもたちと接していますけど、いま小泉さんがお話しになったような、家族にとっての子どもってどんな存在なのか、というリアルな部分とか、今目の前にいる子どものその背景って、日々の保育の中では意外と見えにくいなと思っていて。


なので、こういったお話を聞くことで、「なるほど!」という気付きとか、共有できることってたくさんあるなぁと。


逆に小泉さんから保育士さんや、保育園について思っていることとかってありますか?今、色々と話題になっていますけれど…。


小泉文明

もう少ししたらウチも保育園に入れようかと思っているんですが、全く不安はないんですよね。僕も妻も保育園にいい思い出しかないからかも知れませんが。子どもは……大丈夫じゃないですかね(笑)。

雨宮みなみ

というと?

小泉文明

ウチは子どもには大人として(一人の人として)接したいと思っているんです。いつ子ども部屋に行かせるかを画策しているくらい(笑)。僕も色んな日本語で話しかけますし、子どもはスゴいスピードで学習していく。嘘泣きとかもしますから、その成長にはビックリしますよね(笑)。


ですから、保育士さんにも過保護に接してもらう必要はないかなと。普通に一人の人として接して欲しい。保育園でも色々問題に直面するでしょうし、ケガもするかも知れませんが、それも含めて経験ですよね。

雨宮みなみ

子どもの育つ力って、「ひえー」って笑っちゃうくらい本当にすごいですよね(笑)


子どもの姿や育つ力に添って話し合える機会って大切ですね。


では、もっと広い部分で、パパになって感じる社会の課題や、それに対して取り組んでいきたいと感じることってありますか?

小泉文明

やっぱり育休をもっと取りやすい社会であって欲しいですよね。自分も経験して分かったのですが、子どもが生まれて1〜3か月って、メチャクチャ変わるじゃないですか。その分、大変なこともありますよね。あの時間をもっと子どもと過ごせばよかったと思いますよ。

雨宮みなみ

その時だけしかない、本当に濃くて貴重な時間ですもんね。

小泉文明

そうですね。だから、もっとオフピークになってもいいと感じますよね。メーカー中心の社会であれば、決まった時間に行動する、決まった時間に工場を動かし、休憩時間も固定、というのが効率的ですよ。でも、いま日本はサービス産業の国にシフトしつつあるようにも感じます。だったら、もっとフレキシブルに働くことができるんじゃないでしょうか。


ネット企業を中心にもっと柔軟な働き方は提案していけるのではないかなと思っています。



小泉文明(こいずみぶんめい)


*小泉文明(こいずみふみあき):早稲田大学商学部卒業後、大和証券SMBCに入社。ミクシィやDeNAなどのネット企業のIPOを担当。2007年よりミクシィにジョインし、取締役執行役員CFOとしてコーポレート部門全体を統轄する。2012年に退任後は複数のスタートアップを支援し、2013年12月株式会社メルカリに参画。2014年3月取締役就任。2015年に第一子を授かり、現在は子育てに奮闘するパパでもある。

雨宮みなみ(あめみやみなみ)


*雨宮みなみ(あめみやみなみ):こども法人キッズカラー代表。中学生時の職業体験で、自然と自分が笑顔でいられる保育の世界に魅了され、保育士になる事だけを目指し20歳で保育園に就職。保育の現場で感じた保育士の不安や負担を楽しさに繋げたい、という想いから2010年にキッズカラーを設立。同年HoiClue♪をスタート。2014年に第一子を出産し、一児の母でもある。


(執筆:サムライト 初瀬川裕介/撮影:サムライト 末永瞳)