「人を育てるのは、人にしかできんけん」ーしあわせな木保育園(福岡県 博多市)

今回訪れたのは…
福岡県福岡市にある、「しあわせな木保育園」。
ビルのワンフロアとは思えないほど、木の温もりが感じられるほっこりとした園内。
奥に見えるツリーハウスのそばでワイワイと遊んでいる子どもの姿が印象的でした。

子どもたちに、お迎えにきたお母さん、園長先生にしあわせな木の先生方など、夕方保育園にいたメンバーみんなでパチリ。
開園した時のお話から、保育への熱い想いまで、いろんなお話を聞いてきましたよ。
保育のようす
取材に訪れたのは夕方。
子どもたちは、ツリーハウスの元で、それぞれ思い思いにいろんな遊びを楽しんでいました。







張り切っている運動会での子どもたちの写真


「しあわせな木保育園」は、大人が主導するのではなく、子どもたちから展開されていく保育を大切にしている保育園。
毎日新しい発見をしながら遊びを創り出せる環境や、その場限りでない、連続性のある自然を通した活動体験におさんぽ。子どもたちの感性を大切にした造形活動に、体を動かす心地よさを感じられるようなリズムあそび等など…
詳細を聞いてみると、そこには、意図していないからこそ生まれたおもしろいエピソードや、何度見ても飽きないほど深い大きな子どもたちの作品、そして、生き生きとして心が動いている表情の子どもたちの姿が溢れていました。
日常のさまざまな体験を大切にした保育をされている先生に、後輩保育士として聞いてきたこととは…?
保育をしていてうれしかったことって何ですか?
子どもたちと充実感を味わえた瞬間かなぁ。
どかんとした喜び、というよりは、ちょこちょこ感じられる喜びがありますね。
あとは、自分が元気におられるし、やっぱり楽しい。
あれやれたらどうかなぁ。これ作ったらどうかなぁ。なんて考えながら1つずつ形になっていくのもまたうれしい。
もちろん、これでいいのかなぁと迷うことは保育をしてきた中でたくさんあって、石橋たたきながらやってきている中で路線も変えつつですが、そうして今がある中で「この保育園に来て良かった」という保護者の反応なんかはやっぱりうれしいなぁと思います。

反対に、大変だったことは?
保育園の立ち上げ当初は、やっぱり大変でしたね。
ほぼボランティアに近いくらいの、それこそ、お給料がコンビニの時給の半分くらい、という時もありました。
でも、自分たちでやりたい保育を目指していける幸せがあって。
「一からこうやってみようか?ああやってみようか?これはいかんねぇ。これはよかったねぇ。」なんて言いながら向き合って、失敗もしながらも向き合っていく環境は、やりがいがありましたね。
想いが先にいっていたのかもしれないし、保育の原点がそこにはあったかなぁ、と。
大切にしていることや軸になっているものは?
やっぱり、子どもの気持ちやろね。
子どもの言いなりになるとは違って、今子どもたちはどう感じているのかな?というのをまず考えています。
あと、いけないと思ったことはわりと厳しく伝える。その時はもう、一人の人間として、人と人としてのぶつかりよね。本気のけんかというか。
ちっちゃい子は、「あんたかわいいねぇ。なんでそんなかわいいと?」という気持ちを素直に大事にしていますね。
言葉に出さなくても、その気持ちから伝わることってたくさんあると思うんです。
あとは、自分の感性を磨くことも大切。
自分が自分の感性を曇らせていたら、すてきなことも子どもたちに伝えられんよね。
「うわぁ、これ、子どもに教えてあげたい。」って、日々の生活の中から子どもの姿を思い浮かべて保育に繋げていくと、保育がまた楽しくなるかな。

しあわせな木保育園にとっての「保育」とは?
「人育て」かな。
その子が豊かな人生を送れるように、そして最後にちゃんと「いい人生だったな」と思えるように心や身体の土台を培う人育てじゃないかなぁと思います。
ちっちゃい時にきちんと、様々な力が育っていれば、今後何かあった時に立ち戻れるし乗り越えられる強さに繋がるのではないかと思っています。
それは目標でもありますが。
とにかく、保育ってとってもとっても大事な仕事。
人を育てるのは人しかできんけんね。その人となりが保育に出るし、だからこそ、感性が豊かで、それを伝えていく仕事なので、その保育者も余裕が持てるような社会にしていかないといけんよなぁと思います。
最後に、「夢」を聞かせてください
今はまだ種をまいている状態なので、これから芽が出ていって、広がっていくことが夢ですかね。
ここの保育園を出た子たちがね、「保育園のせんせいになりたい」と言ってくれる子がいるんですよね。
そういう時に、「あんな保育が良かったなぁ」と思いながら保育という職について、それが継承されていったらうれしいなぁ。
あとは、子どもたちが豊かに育っていってくれるのがいちばんの夢で、その子たちが、またその種を広げてくれるようになることで、どんどん幸せの根っこが広がっていったらいいなぁと思いますね。
長い時間、想いのこもったあつくて温かいお話をたくさん聞かせていただきました。
みなさんとても気さくで、保育や子どもに関する色々な想いやお話を聞かせてくださり、ここには書ききれないこともたくさん!
しあわせな木保育園のみなさん、ありがとうございました!
もっと話を聞いてみたい方、「しあわせな木保育園」に関心を持たれた方は、ぜひこちらのリンク先をご覧くださいね。
しあわせな木保育園
http://www.shiawasenaki.com
