コドモコトノハ「ひーちゃんがほしいんだから、 はやいも、おそいも、ないのっ!」(ひろこ 5歳)
朝から冷たい雨が降り続いていました。みんなで集まったときも、話題はやっぱり雨のことでした。雨が好きか嫌いか、好きなのはどうして?嫌いなのはなぜ?子どもたち同士で、おしゃべりがはじまりました。
きょういち:「あめって、やだな」
ゆうた:「なんで?おれはすき」
きょういち:「だって、じめんがさ、ぐちゃぐちゃになるからさ」
そうご:「ながぐつ、はいてくればいいじゃん」
きょういち:「おれ、ながぐつもってないよ」
ゆうた:「かってもらえばいいよ」
きょういち:「かってくれないよ」
のりこ:「そうだよ、おかあさんていうのはね、そんなにかんたんに、かってはくれないんだよ」
どうやら、のりこちゃんにとってお母さんは、そんなにホイホイと物を買い与えてくれるような存在ではないようです。
青山:「ところでさ、みんな、いま欲しいものってあるの?」
ぼくが聞いてみました。
ひーちゃん:「ある!ローラーシューズと、ほんものの、おけしょうセット」
ひーちゃんが大きな声で言いました。
ゆうた:「おけしょうセット?はやいんじゃないの?ひーちゃん、まだようちえんだし、おけしょうは、はやいよ」
ひーちゃん:「ぜんぜん、はやくないよっ!なにいってるの。はやくないよ。ひーちゃんがほしいんだから、はやいも、おそいも、ないのっ!」
ひーちゃんは口をとがらせて怒っています。小さいから、まだ子どもなんだからという理屈で、ひーちゃんをあきらめさせることはできません。今、欲しい。その気持ちに年齢なんて関係ない。ぷんぷん怒りながらまっすぐにそう主張できるひーちゃんを、何ともまぶしく感じました。
雨の話からこんなふうに話題があちこちへ飛ぶことも、子どもたちと話しているとしょっちゅうあります。次はどこへ飛ぶのかな。その軽さに乗っかって、楽しんで耳を傾けています。
(雨の日の子どもたちのお話は、次回に続く…)