【アンケート結果】みんなの園の「ヘンな文化」を大調査!〜『新 幼児と保育』×HoiClueコラボ アンケート〜

「これってどうなの⁉」と思わずにはいられない、あなたの園にはびこる「ヘンな文化」はありますか?
“みんな一緒に”という考え方、いつからか定着している「型」、多すぎる行事など…。
今回は、好評発売中、柴田愛子先生と大豆生田啓友先生の初対談集『保育の「ヘンな文化」そのままでいいんですか!?』(小学館)に寄せて、みなさんの園のヘンな文化を大調査しました。
みなさんから寄せられた、ヘンな文化やその理由をお届けします!
【保育者さんアンケート】
みんなの園の「ヘンな文化」を大調査!〜『新 幼児と保育』× HoiClueコラボ アンケート〜
実施期間:2024年12月3日〜2024年12月13日
回答数:74件
このアンケートの目次
1)あなたの園に、「これってどうなの⁉」と思うような「ヘンな文化」はありますか?
2)ヘンな文化の内容と、ヘンだと思う理由
3)アンケート回答者の属性について
1) あなたの園に、「これってどうなの⁉」と思うような「ヘンな文化」はありますか?
「ある」と答えた人が約60%、という結果でした。
2)ヘンな文化の内容と、ヘンだと思う理由
生活に関すること
決められた時間にみんなでトイレに行く。
各自、好きな時間にトイレに行っていいと思う。
(幼稚園 施設長・園長・副園長)
冬でも一年中部屋の中では半袖。
朝は気温が低くて震えている子もいるから。
(認可保育所 保育者(常勤・正規職員))
給食の完食。
食べることが心地良くない。
(認可保育所 (保育者(非常勤・パートタイム))
子どもとの関わりに関すること
喧嘩の際、「ごめんね、いいよ」がゴールだと思い、話をあまり聞かず、無理矢理謝罪させている。
保育者は、相手の気持ちを代弁したり受け止めるだけで良いと思う。
時に促しも必要なのか、分かりませんがあなたが悪かったみたいよ、ごめんねは?と無理矢理謝らせるのでは、心からの謝罪には、ならないと思う。
(幼稚園 保育者(非常勤・パートタイム))
喧嘩をしたときに仲直りの握手をさせること。
謝ればいいのにわざわざ握手をさせることがヘンだと思うから。
(認可保育所 保育者(常勤・正規職員))
園庭やホールで遊ぶ時に他のクラスがいると「入れて」と言う。
遊ぶのに早い遅いはなく自然に入ればいいと思う。
(認定こども園 保育者(非常勤・パートタイム))
ある曲が流れると子どもたちが「トントンマ~エ」と言いながら整列し始める。
自分が入職する前の習慣だったようで、今は整列させることもしていないので、何気なくこの曲を弾くと整列して寄ってくる子どもたちが、けなげでおかしくて可愛くてせつないです。
(認可保育所 施設長・園長・副園長)
行事に関すること
多すぎる行事。
1ヶ月に2個以上イベントや行事がある。
(認定こども園 保育者(常勤・正規職員))
毎年節分の日にお相撲大会が始まる。
節分で鬼を倒すのにお相撲してどうするんだろうかと、不思議になった。
(幼稚園 保護者)
手の込んだハロウィン衣装製作。
衣装は既製品で十分だと思う。衣装製作は自宅でやらないと間に合わない。
(企業主導型保育園 副主任)
揃っていなければならないお遊戯。
個々の個性がでない。揃えなければならないというこわばった表情の子ども達。
(認可保育所 (保育者(非常勤・パートタイム))
運動会では遊戯、組体操、リレー、お遊戯会では遊戯、合奏、劇(オペレッタ)と年長のすべき演目が決まっていて、その2ヶ月前から練習三昧。
曲目や劇の内容は子どもたちが話し合って決めるものの、保護者に見せるために、例年と同じレベルにと練習が多く自由遊びの時間が削られている。もちろん練習を楽しんでいる子どももいるがそうでもない子どももいる。何より年長担任の負担が大きい。行事の見直しを言いながら、保護者も楽しみにしているしと保守的な先生の意見が強く、変わらない。
(認可保育所 保育者(常勤・正規職員))
その他
遅番で、遊ぶ物が決められていていつも同じ。
(ブロック、不用な紙の折り紙、B5ぐらいに切られたお絵描き用の紙(1人一枚)など)
遅番とはいえ、まだたくさんの子ども達が残っており、一つ一つの玩具の量も少なく、お絵描きなどはスペースもなく、場所、物の取り合いなどから、なかなか遊びに集中できないでいる。
園としては、遅番は、怪我なく子どもを無事に親に引き渡しできればいいという考え。
(地方自治体独自の認証保育施設 保育者(非常勤・パートタイム))
過度な壁面装飾。
壁面や装飾の係になると、その年度ずっと装飾を作り続けている。なんなら持ち帰りや残業もある。壁面のために残業することに疑問。
効率的じゃないし、もっと子どもや園のことに時間使えるのでは?と思ってしまう。
(認可保育所 保育者(常勤・正規職員))
保育士は着付けができないといけないので仕事終わり保育園に着付け講師を呼び実費で着付け教室に参加すること。
着付けを覚えたら自分で着物を買い、自分で着付けをし着物を着て茶道を子どもたちに教える。子どもたちが発表会で着る着物の着付けも全て職員が行う。
(認定こども園(保育者(常勤・正規職員))
体調不良の際、保護者へ連絡をするのが38度以上であること。
子どもの様子がおかしいと思っても、保護者に連絡するのは38度以上。大事なのは平熱や子どもの様子なのではないか。結局他の子どもや職員に感染する。
(認可保育所 保育者(常勤・正規職員))
「昔からこうだった」と昭和を思わせるような風習が多すぎる。
20年も30年も前の事ばかりを自慢気に話す。
何でも主任のOKをもらわないと進められない。勝手に作ったり準備はできない。
差し入れなど頂いた時は、勤務年数が長い人から。
年長者が帰らないと勤務時間が過ぎていても帰れない。
休みの日も手弁当を持って出勤しないといけない。
1ミリのズレも許さないし、子ども達が「もっとしたい」と言っても製作では全員同じ数の経験しかさせない。(体験に差ができるかららしい。)
(認定こども園 保育者(常勤・正規職員))
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「これってどうなの⁉」と思わずにはいられない、園にはびこる「ヘンな文化」。
現実と想いの狭間で浮かぶ疑問、ゆらぐ声がたくさん寄せられました。
アンケートのきっかけとなった、柴田愛子先生と大豆生田啓友先生の初対談集『保育の「ヘンな文化」そのままでいいんですか!?』(小学館)では、今回寄せられた回答と重なるさまざまな課題に対してどう向き合っていけば良いのか?というこれからの保育の手がかりとなりそうな内容がたっぷり綴られています。
ここまでしゃべっていいのかしら?
保育の「ヘンな文化」そのままでいいんですか!?
著:柴田愛子/大豆生田啓友
出版社:株式会社小学館
出版社からの内容紹介
今の保育の問題点(例;同じ時間にみんな並んで一緒にトイレにいかせる。運動会などの例年どおりで多すぎる行事、「ねば」「べき」にがんじがらめの頭で行う保育、子育て支援ではなく、親への「サービス」と化している施設など)を浮き彫りにしていきます。そして、新しい保育の流れについても教えてくれます。
みなさんも、保育の「あたりまえ」が本当にそれでいいのか?を問い直し、今後、保育をどうしていったらいいのか、「子どもも大人もみんなが幸せになる保育」について、この本で一緒に考えてみませんか?
ぜひお手にとってみてくださいね。
※著書のお二人が対談する『保育セミナー2025』が、2025年9月15日(月・祝)に開催されます。
▶詳細はこちら
3)アンケート回答者の属性について
勤務先
お立場
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ご協力いただいた皆さん、ありがとうございました。
HoiClueでは今後も様々なテーマでアンケートを実施し、みなさんの声を共有していく予定です。
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