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【アンケート結果】みんなの園の夏祭り事情〜保育者さんアンケート〜

水岡香
掲載日:2024/08/20
【アンケート結果】みんなの園の夏祭り事情〜保育者さんアンケート〜
コロナ禍や近年の酷暑など、子どもを取り巻く状況の変化により、夏祭りの在り方を見直されている園もあると聞いて実施した、今回のアンケート。

いつ頃夏祭りを開催している?
屋台、買い物ごっこ、盆踊り、花火…どんな風に楽しんでいる?
保育者のみなさんはどんなことを大切に夏祭りの在り方を考えているんだろう?など。

皆さんから寄せられたみんなの園の夏祭り事情についてご紹介します。

【保育者さんアンケート】
教えて!みんなの園の夏祭り事情〜保育者さんアンケート〜

実施期間:2024年7月12日〜7月29日
回答数:100件

このアンケートの目次

1)園の夏祭り(縁日)、いつ頃開催している?

2)どのくらいの規模で、どんな参加形態で開催している?

3)子どもたちはどんなことを楽しんでいる?(複数選択可

4)うちの園の夏祭りの面白いところや特徴

5)子どもたちを取り巻く状況変化が大きい近年(感染症の流行や夏の猛暑など)。夏祭りについて、感じている課題感は?

6)夏祭りに向けて大切にしていること(想い)は?

7)アンケート回答者の属性について

1)園の夏祭り(縁日)、いつ頃開催している?

8月下旬が一番多い結果でした。続いて多かったのが7月上旬と7月下旬。
9月に開催している園も。


2)どのくらいの規模で、どんな参加形態で開催している?

園児と職員で開催

・こども園の未満児だけが参加。先生が各種ゲームコーナーを準備した夏祭りごっこで遊ぶ。 (こども園/定員100〜199名)

・コロナ前は一般、卒園生を含む大規模だったが、コロナ後は園児のみの小規模で役員がブースを6個ほど用意し行っている。(幼稚園/定員100〜199名)

・年長組を中心に、在園児のみ参加。手作りの他に、市販品(くじ、ジュースなど)も使用。(こども園/定員100〜199名)

・保育士がボウリングやわなげなどのゲームを作り、各ゲームを回ってスタンプラリーで楽しむ。手作りカレーやソフトクリームのキッチンカーの販売がある。(認可保育園/定員100〜199名)

・お店屋さんごっこの延長で、縁日的なものを園内だけでやっている。(認可保育園/定員1〜19名)

・5歳児を中心にお店やさんを作り職員が櫓や飾り付けをして、他のクラスの子どもが買い物をしたり5歳児が太鼓を叩く中盆踊りをする。(認可保育園/定員100〜199名)

・園児と保育者が作り、こども園と隣の幼稚園と合同で行う。(こども園/定員100〜199名)

・保育士が内容を考え、準備し、午睡後、保育園児と保育士のみで楽しむ。(企業内託児所/定員1〜19名)

・幼児の縦割りでグループを作り、子どもたちと内容を考えて一緒に作り上げて、お泊まり保育の日に実施して、全園児が参加する。(こども園/定員100〜199名)

・以上児はクラスごとに出店をする。(認可保育園/定員100〜199名)

・子どもたちと内容を考え、子どもが中心となって作る。(地方自治体独自の認証保育施設/定員60〜99名)

・年長児を中心に内容を考え、園みんなでつくりあげる。(幼稚園/定員100〜199名)


保護者も参加で開催

園や子ども主体で

・5歳児が御輿を作って練り歩いたり、皆で踊りを踊ったりする。保育士が内容は考え、保護者に協力をお願いする。(認可保育園/定員100〜199名)

・年長児のやりたいことを聞き、テーマを考え、園全体で楽しめるものを作り上げる。毎年テーマは違うものの、ゲームコーナーなどは子どもと保護者がすぐに楽しめるような定番の遊び(輪投げ、金魚すくい、ストラックアウト、缶積みなど)を取り入れる。(認可保育園/定員60〜99名)

・子どもたちと内容を考えてお店屋さんごっこをする。保護者参観日でもあるので親子でお店屋さんごっこ夏祭り気分を楽しむ。(認可保育園/定員60〜99名)

・子ども達にアンケートを取り、それを元に職員で会議をし、最終決定する。景品や看板等の準備や作成も子ども達と協力して行い皆でつくりあげる。(児童発達支援/定員20 〜59名)

・卒園児や保護者、兄弟など招き、ゲームや食べ物屋をたのしむ。(こども園/定員100〜199名)

・手作りのきんぎょすくい、的当て、ヨーヨー、宝さがし、モグラ叩き、ガチャガチャなど園長意向に添いながら職員で製作し、年長児が看板等描く。当日、乳児祭参加時は、年長児がもてなす。3歳児から上は、午睡無しで保護者と共に、祭りに参加する。店番は4歳、5歳児保護者と共に交代制にする。浴衣、甚平は、希望者のみ着用。祭を毎年、どうするかは正規職員の会議で決まる。昨年度から保護者が参入している。飲食なし。(認可保育園/定員60〜99名)


保護者主体で

・園と父母会で作り上げる。卒園児を招く。(認可保育園/定員60〜99名)

・保護者主催で職員は手伝い。(認可保育園/定員100〜199名)

・夏祭りのPTAの保護者たちが主につくりあげるが、教員との会議もある。(幼稚園/定員100〜199名)

・保護者と協力しながら、大人がつくりあげる事も考えるが、可能なら子どもたちと内容を考え、みんなでつくりあげるのが理想。(児童館・子育て支援/定員1〜19名)

・全園児保護者、毎年内容やアイデアをかえる。同じ祭りではない。(こども園/定員100〜199名)


卒園児や地域にも開いて開催

・幼児クラスで内容を考える。各クラスで装飾をする。当日は未満児クラスが保護者と一緒に夏祭りを楽しむ。年長児はお店屋さんをする。夏祭りメニューの給食を食べて未満児さん降園。午睡後は幼児クラスが保護者と一緒に夏祭りを楽しむ。卒園児(小1のみ)招待あり。保護者参加できない子は保育者と夏祭りを楽しみ、他はいつも通り保育。(認可保育所/定員20〜59名)

・職員によるお店屋さん(事前にチケット購入してもらう)お店屋さんは、お菓子釣り、くじ引き、ピカピカすくい、ヨーヨー釣り、ゲーム、千本引き、ジュース・花火屋・ポップコーン屋。(こども園/定員100〜199名)

・保育者が作り上げたゲームで遊んだり、制作コーナーでおもちゃを作る。保護者参加型で、2部制。地域の方も予約制にはなるが参加可能。卒園児は、1年生のみ招待状を配布している。(認可保育園/定員60〜99名)

・地域の広場を借りている。OB会主催。地域の方々も参加可能。(認可保育園/定員100〜199名)


3)子どもたちはどんなことを楽しんでいる?(複数選択可)

手作りのゲーム遊びが1番多く(83.3%)、その次がお祭りの買い物ごっこ(54.9%)という結果でした。
開催規模や立地によってさまざまですが、盆踊り、模擬店、お神輿、花火なども楽しんでいるようです。

4)うちの園の夏祭りの面白いところや特徴

子どもたちの活動

・子どもたちが意見を出し合って作る。(三重県)

・5歳児の盆踊りは、鳴子を持ちYOSAKOI。(兵庫県)

・最後にすいかわり。(鹿児島県)

・毎年、手作りのおみこしを担ぐ。その年の幼児クラスで装飾をする。年長児はお店屋さんになることを楽しみにしている。(お金のやり取りはしない。チケット制)
去年はオバケ屋敷をした。今年は制作でたこ焼きやかき氷を作ったり、ワニワニパニックのゲームを作っている。(千葉県)

・和太鼓を盆踊りのリズムにのり叩いている。(大阪府)

・5歳児、4歳児の子どもたちがお店を考えて、作って、運営します。(茨城県)

年長児とその保護者が店番。(山梨県)

・町中を手作りお神輿を曳いたりかかえたりして廻る。(福岡県)

・泥・土・泡+洗濯のりでいろいろな商品を作り絵の具+洗濯のりで色を塗る。葉っぱに目を付けクリップを付け魚釣りを楽しむ、自然派です。(長野県)

・台東区なので実際に近くの神社の神輿が園に来てくれる日があり、その後に実体験を元にお神輿を作って担ぐ。(東京都)

・OBの保護者や子どもたちとの関り、地域の太鼓の会のパフォーマンス。主催はOB会。
同じグループ会社で高齢者施設と隣接している為、施設を利用されている高齢者にダンス発表やけん玉発表を見てもらったり、粘土やブロックで作品を子ども達が作り、展示させて貰えるようにお願いしに行く所から子ども達が行って、交流をはかっている。(東京都)

・園内で育てたカブトムシを部屋に放ってカブトムシつかみどりをする。(東京都)


お祭りでの食べ物

・給食が屋台のお弁当風になる。(愛媛県)

・園の野菜を使った手作りカレーや、トマトのマフィン。(岐阜県)

・流しそーめん。(栃木県)

・手伝いの父親が張り切って焼きそばを焼いてくれる!(北海道)

・生ビールが飲める。外部の飲食店からの出店がある。(福岡県)

・盆踊りを頑張ったあとは、かき氷を食べます!(岡山県)


5)子どもたちを取り巻く状況変化が大きい近年(感染症の流行や夏の猛暑など)。夏祭りについて、感じている課題感は?

感染症・暑さなどで感じていること

・コロナ禍で、保護者同伴の夜の夏祭りが無くなり、子どもと保育教諭のみで午前中の保育の中で夏祭りごっこをしていたが、コロナが5類になってもコロナ前のような保護者同伴の夜の夏祭りが再び開催されず、子どもと保育教諭だけの夏祭りごっこが継続されている。保護者が来園して、夏祭りをするとなると、準備や気を使うことが多いので、経験の少ない保育教諭が嫌がる傾向があるので、以前のようなかたちで(保護者同伴での)、夏祭りを楽しめないかと思っている。

・園児数が減り、店が少なくて夏祭りの雰囲気が少しさみしく感じる。コロナの影響で花火がなくなった。準備等大変だったがあれはあれで楽しかったから復活させるのもありかと思うが、言い出せない雰囲気。

・去年は感染症対策をして土曜日開催していたが、今年は平日に保育参加の一環として行う。
保護者参加にしたい、卒園児を呼びたいなど、やりたいこと・希望を叶えるためにどうしたらいいか、毎年、試行錯誤している。

・保護者の参加が今年から再開したが、ひと家族1人と、感染対策を続けている。以前のように皆んなで楽しむ、夏祭りがしたい!

・コロナ前は夕方に全園児と保護者で、保育者がやっているお店を回って楽しんでいたが、コロナ流行に伴い、活動時間帯に園児だけで行うようになった。混雑や暑さを回避でき、保護者の負担も減った為、評価を得ている反面、子どもたちと一緒に夏祭りの雰囲気を味わいたかったという声も上がっている。

・暑すぎて戸外での開催は難しい。

・猛暑の為、朝からでも夕方からでも暑い。

・暑さが課題でしたが、夏の開催はやめました。夏祭りではなく、お祭りと名前も変えました。

・今年は特に暑かったので、戸外での飲食が難しく、室内にも食べられる場所を設けました。

職員体制や地域との関わり、その他で感じること

・地域でのお祭り参加が減っていて、子どもたちのお祭りへの興味が薄い。

・盆踊りは保護者から練習があまりできないため楽しめないとの声があったり騒音の配慮をしたり、おみこしも近隣への騒音の配慮からできなかったりするので、園庭も使用して自由に何でも行なえるようになりたい。

・地域のお祭りや盆踊りに行く経験がない子がいる。コロナ禍では全クラス合同では開催が難しく2部制にしたり、分散できるよう工夫しながらも子どもたちが経験できるようにした。

・異年齢の交流が少なくなってきている中で、夏祭りでの異年齢の交流に乳児の子どもたちは人見知りをして泣いたりしている。普段から、異年齢の交流を深めて夏祭りなどのイベントに参加したい。

・全て職員の手作りで負担が大きすぎる。

6)夏祭りに向けて大切にしていること(想い)は?

子供達で、作り上げる喜び、親御さんと遊びに行く機会が少ない子供達に、作り上げる祭りの楽しさ、交流する楽しみを良き思い出にしてあげたい。

普段過ごしている保育園という場所、保育士に見守られている安心感や、安全な場所で、保護者の方と一緒に楽しむことができたらと思います。子どもたちが、おまつりで使用するもの(買い物袋など)を作るところから、とても楽しみにして当日を迎えます。成長した卒園児と会えるのも、わたしたちの楽しみです!

他園、異年齢との触れ合い。自分たちが考えた事が現実になる達成感が味わってほしい。子どもたちが協力し一つのものを作る経験を楽しんでほしい。

盆踊りという習慣がなくなっているのでその楽しさを続けて行きたい。

年齢にもよりますが、子どもたちと一緒に作り上げること。友達と協同して作っていく楽しさや友達の思いを聞きながらイメージを形にして行く経験を楽しみたいからです。また異年齢交流にもなり、相互作用があるからです。

年長の輝ける場所になるようにしたい。子ども達が楽しめる祭りとなるようにしたい。

夕暮れ時に集まる特別感を味わってもらいたい。

保護者や教育者の負担が大きいと楽しめないので、保護者や教育者の負担を無くすことが何よりも大切だと感じます。

5歳児になったら太鼓ができると期待している子もおり、意欲や自信に繋がっている。そんな5歳児を見て小さいクラスの子は憧れの気持ちを抱いたり関わったりして楽しい経験となっている。

コロナ禍で育った子ども達なので夏祭りの経験が少なく昨年は子ども達から実体験を通してのイメージを上げられずにいた。絵本や写真、保育者の経験を伝えながら期待が持てるようにしたい。

夏祭りをというものを楽しみたい。子どもたち自身が作り上げ、自ら楽しみ、自信になるようにしたい。園全体、保護者や卒園児も巻き込んで、ひいては地域の人にも来てもらえるようにしたい。

子どもが主体となること。イメージを友達と協力して形にするなど、楽しさを味わうこと。

家族と一緒に楽しい時間を過ごせるように作りあげたい。

普段行わないゲーム(ヨーヨー釣りやオモチャの金魚すくいなど)を楽しむことができたり、子どもは甚平や浴衣を、保育者は法被を着ているので、日本のお祭り特有の雰囲気を味わってもらいたい。また、年長児はお神輿作りやお店屋さんをして、仲間との一体感や特別感を味わい、保育園での思い出の一つにしてもらいたい。

子どもと親が共に楽しみ、保護者同士の交流の場であったり、友だちとの関わり方を知る機会になればと思います。また、子どもたちの一生懸命に取り組む姿勢など、ご家庭ではみられない姿を見て、感じたことを子どもたちに伝えて達成感や喜びを感じる事ができる瞬間にしてほしいです。

今回アンケートに寄せられた回答から、園によってさまざまなお祭りの楽しみ方があることを知ることができました。

変化する夏の暑さや感染症について考慮しながら開催する背景には、たくさんの苦労があることを感じました。同時に「夏らしさを感じさせてあげたい」「自分たちで作り上げる楽しさを感じられる機会になってほしい」など、子どもたちを想う保育者さんたちの温かな気持ちにもたくさん触れたアンケートでした。

7)アンケート回答者の属性について

勤務先の形態

***

ご協力いただいた皆さん、ありがとうございました。
HoiClueでは今後も様々なテーマでアンケートを実施し、みなさんの声を共有していく予定です。

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