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\みんなの実践例/【絵を描くとき、自信がなくてなかなか描き始めない子】〜こんな時、どうする?みんなの相談ひろば〜

水岡香
掲載日:2023/07/24
\みんなの実践例/【絵を描くとき、自信がなくてなかなか描き始めない子】〜こんな時、どうする?みんなの相談ひろば〜

正解がないからこそ、立ち止まったり考えたりすることが多い保育の場。
でも、正解がないからこそ、いろんな角度からの視点や考えに広く触れることで、柔軟に、より保育がたのしくなるのかも…?

誰もが聞き手、受け手になって、それぞれの思いや考えを持ち寄れる場にしていきたいな、という考えの元スタートした『みんなの相談ひろば』。
2回目の相談テーマ【絵を描くとき、自信がなくてなかなか描き始めない子】に寄せられた、みなさんの思いや考え、実践例をお届けします。

絵を描くとき、自信がなくてなかなか描き始めない子

3〜5歳の子どもの姿。
クレヨンや絵の具を使って絵を描く遊びや製作が始まったときのこと。
「うまくできない…」と言って自信がなさそうに、なかなか描き始めない子が。

こんなとき、みなさんだったら、どう関わる…?


みんなから寄せられた声

子どもと一緒に描いてみる

自分は描けると少しでも子どもの自信に繋がるように。
一緒にやってみよう!と子どもが持つ手を補助しながら一緒に持って描いてみる。

上手に描けたねよりは、おいしそうだね〜と、上手なことよりも、楽しく描いた時間を大切にして、お絵描きって楽しいねの気持ちを育てて行きたいから。絵は心。楽しく描けるのが1番なので…
簡単で楽しいお絵描きからやってみる。例えば、お皿を描いて、スパゲッティぐるぐる〜、最後にソースをのせましょう と、イメージができるものでいっぱい遊ぶ。

描きたいという子どもの気持ちをしっかり受け止めながら、手を添えて一緒に描く事をくりかえし、簡単な線や○を少しずつ描くように促し、出来たら褒め、失敗してパニックになったら、落ち着けるように声掛けしながら、描けた達成感を子どもが感じられたら、意欲も持てると思う。

描き始めをどうしていいかわからない場合もあるので、少し進めることでハードルが下がった気になる子もいる。その時は思い詰めていても、日を改めると意外と気分を切り替えられることがあるので…
顔の絵だったら、顔型になるようなところだけ一緒に描くなどして、きっかけを作る。もしくは、日を改めて働きかけ直す。

少しでもできたことをみとめて自分にもできることがあるんだとわかってもらえたらと思うから…
一緒に丸や線などなんでもいいので書いてみる。

描き方がわからなかったり、描いたらヘタだからと言う子が大概なので、真似をするところからはじめてもらうために。
わたしは別の紙に描いてみる。


子どもが描き出したくなるきっかけを作ってみる

うまくできない、、、と応えるということは書きたい気持ちはあるけど自信がないのだと思うので、描きたいもののイメージが湧きやすいようにヒントを置いてみる。すると、少しずつ自分の描きたいものがイメージできると描き始めてくれるのではないかと思う。
その子が描ける!と思えるまで待ってあげることも大事かと思う。友達の描く姿などを見て描きたい気持ちもでてくるかもしれないので、テーマがあるのであれば、それにあったイラストや絵本、玩具など近くに置いてみる。

自分の描ける図形などからでも、絵を描くことができるということを、わかってもらい、自分でできる喜びをわかってもらいたいので…
例えば◯を描いてそこから発展できるよう、声掛けする。人物なら顔に、動物なら耳を描き足すとか、描こうとしているものに、近づけるよう、ヒントになる声掛けをする。

こども達の豊かな発想と自信をまず引き上げていく。ポジティブに、活動できるよう悩みを共に考え、保護者と共有し、家庭でもぬり絵やお絵描きを楽しむ時間を作ってもらったり、褒める時間にしてもらう。自分で手掛けたものを大切にするキモチも共に育つ。できない!より誰かとできて良かったからの自立にも繋がる。
個々のおしゃべりから描いていく自由なお絵描き時間も、友だちとの共有からの自信に繋がるので無理に強要せず、描けた時間をほめてあげることと個々の思いを大切にしてあげたいと日頃から考えている。

苦手な子は具体的なイメージが表現できなかったり、失敗したらと思って躊躇してしまったりするので、その気持ちを会話で和らげて描いてみようとする思いを引き出すために…
先生も一緒に描きたいから、好きなもの教えて!と言って会話から楽しい雰囲気を作り、少しずつヒントを与えて描けるきっかけを与える。



真似することから描くことを楽しめるようにしてみる

自分がいましていることが合っている。正解だ。と思うことで、描きやすくなると思うから…
まずは手本を用意して真似る。真似たら『上手だね。それで合っているんだよ』と伝える。

何故うまくできないのか理由を聞くのが前提。自信がなく、失敗が怖いパターンが多いので失敗してもいいように余分に画用紙を用意する。描いている途中に失敗したら「失敗したんだね。でも先生はその描き方、色は好きだな」となるべく具体的なフォローを入れる。描き方がわからない場合は保育士の主観も入ってしまうが別の紙に描いて描き方を教える。そこから発想が広がって描くのを楽しんでもらいたい。
失敗したら新しい紙をあげるよと声をかける。それでも描きたくないのであれば保育士が別の紙に描いて描き方を教える。

どんな偉大な芸術家でも真似する事から始まるから。少しのできた!で自信がつき、独自性が発展するはずなので…
こんな風にして描くんだよーと、描き方を見せてあげる。


子どもの気持ちやイメージを聞くことから始めてみる

描き始められないということはマイナスなイメージに捉えてしまいがちだが、じっくり描き始めたい時もあれば、何を描いていいか分からない子も中にはいると思うので、絵画に対して嫌な思い出をとにかく残さないことが大切ではないかと、、、何事も経験の積み重ねなので、自信のないこには過剰な声かけは控えることを意識しています。
変に声を掛けすぎるとプレッシャーを与えてしまうかもしれないので、しばらく見守る。あまりにも描き始めないときは、少しずつ歩み寄り、描きたいものを一緒に頭の中で整理していく。

リラックスできるように、描きたいことを思い浮かべてもらえるように、友だちに刺激をもらえるように…
動の活動の後に描画を行うことが多いので、その時の話や休みの時のこと好きなものの話を振ってお喋りする、友だちと一緒に描くなど。

口に出して自分の思いを伝えることでイメージしやすくなったり、また大人が助けをあげやすくなるし、お話をすることで自信がないと言う状況を解くことができると思うから…
描きたいことを口で言ってもらう。テーマがない自由テーマのお絵描きの時は何が好きか聞いて雑談から入ったり、その写真を探してあげてヒントを出してあげる。

無理強いせず、しばらく見守り声をかけ気持ちを聞いたりして、今その子の心が何処にあるかでその後の対応を考えます。描きたいものがあれば、提案としてこんなふうに書いてみる?と声をかけます。自由に表現することにためらいがあると感じたら、思い切りぐちゃぐちゃに描く楽しさを味わえる機会を作り色んな表現があることを経験できるようにします。
私自身絵は苦手だ!と言うのが理由です。ただ、真似て書くことは出来ますので、真似ることも重要だと思いますし、どんな表現をしても評価されない事が重要だと思うので、のびのびと楽しめる機会があれば良いと思うからです。

どんなふうに描けばいいか、悩んでいて描けないのではないかと思うので…
イメージが湧くような言葉がけをしたり、実物があるものなら、一緒に見ながら特徴を話したりする。

テーマがわかっていなかったり、分かってはいるものの何を書いたらいいか分からないこともあるため、言葉にして整理できるようにするため…
テーマに沿ったはなしをまずしてみて何を書くか一緒に考える。

ご回答頂いたみなさんの声から、子どもたちが安心してできるように、楽しんでできるように…という子どもの気持ちに心を寄せた思いが、たくさん伝わってきました。

ひとりひとり個性が違うからこそ、対応の仕方も十人十色で、思考を凝らしている様子も目に浮かび、保育の仕事の難しさと、やりがい両方について考えさせられる第2回目の相談ひろばでした。

みんなの相談ひろばに参加してくださった方

勤務先


経験年数

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参加してくださった皆さん、ありがとうございました!
これからも引き続き、「こんな時、どうする?」をもとに毎回異なるテーマで、みんなの相談ひろばを実施していく予定です。

ぜひご参加いただけたらうれしいです。
次回もおたのしみに…!