保育と遊びのプラットフォーム[ほいくる]

おさんぽでみつけるたくさんのこと

西巻慧菜
掲載日:2014/10/13
この日は4歳児の女の子と、ふたりっきりで1時間のお散歩。

すべりだいを見つけると、階段を勢いよくかけあがりましたが、 すぐにはすべらず、手すりにぶらぶらとぶらさがりました。

滑り台の手すりにぶら下がる女の子の写真

わたしが、「うでの力があるね!」 と言うと、

「うでのちからじゃないよ、 てのちからだよ。うでよわいの。
…あ、うでのちからあった。
やさいだいすきだもん。
だってママがいってたじゃん。 やさいだいすきだって。 だから、うでのちからつよいの。」

と考えながら教えてくれました。

その後、ポールで休憩。

道端のポールに手を乗せる女の子の写真


「おみせにいこうかな。“うそんこ”のおみせ。」

と考えています。

うそんこのおみせやさんに行ったあとは、 ほんもののお店に。          

「これなに?おもしろそう」

一瞬で気になるものを見つけました。

お店でおもちゃを手に取る女の子の様子


「おかねもってないから、かえないなあ。」

外に出てみると、駐車場に黒い液がこぼれています。

道にこぼれた黒い液体の写真


道路を歩く女の子の写真


「これ、くるまのうんちだよ。」

と教えてくれました。

「あー、はながさいてるね。しゃしんをとりたい。」

とお話しながら歩く彼女でしたが、そのうち、今度は下を向いて黙ってしまいました。

「せんからでたら、まけだよ」

道路に引かれた線の上を歩く女の子の写真


真剣な表情です。

「そろそろ家に帰ろうか」 と声をかけると、

「ここからいけるよ」

と柵に足をかけました。

柵によじ登る女の子の写真


反対側に着地したそのとき、

「おとなはじゆうなのに」

と言うので、「こどもは?」 と聞くと、

「じゆうじゃない。じゃんぷしていくのじゆうだよね?めちゃくちゃ。」

と、説明するように話してくれたのでした。

ベンチに座る女の子の写真


こどもたちは目に入ったものを見て、一瞬であそびを考える。 お話をつくる。 思い出す。 自分の気持ちを話す。
わたしと過ごした時間は、たった1時間。 彼女にとっては、どんな時間だったのだろう。 大人にとっての1時間と、どう違うのだろう。

大人と子どもの時間について考える1時間でした。

作成:asobi基地 西巻慧菜