保育と遊びのプラットフォーム[ほいくる]

コドモコトノハ「ここに、かんらんしゃをつくるんだよ」(ありむ6歳)

青山誠
掲載日:2014/01/20
冬休み明けの日。
4、5人の子どもたちが公園の片隅でせっせと落ち葉を掃いています。近寄ってみると、ありむくんが言いました。

「ここに、かんらんしゃをつくるんだよ。まずはきれいにしないと。」

壮大な計画です。
ほうきで掃き、ちりとりに集め、大きなたらいに落ち葉をざーっとあけます。
たらいが満杯になると、えっちらおっちら、少し離れた木の根元まで運びます。
それを何度もくり返します。

冬休みの間に吹き寄せられた落ち葉は、山のよう。

結局、この日は一日中、ありむくんたちは落ち葉を掃いていました。
帰る頃には、その場所からすっかり落ち葉はなくなっていました。

「あしたは、かんらんしゃつくるから、だいくさん、よんできてよ」

と言うので、

「大工さんがいるの?」

と聞くと、

「こどもだけじゃむりむり。あ、ちかしつもつくるから、げすいどうのひともね」

とのこと。
知り合いに大工さんいないなぁ、とつぶやくと、

「じゃ、さがしにいこう。」

とその日はそこで帰りました。


次の日、ありむくんはりんごに来るなり、

「だいくさん、地区センターにいるから。いこう。」

と言いました。
それで、地区センターへ行くメンバーを募り、8人の子どもで向かいました。
道々、出会った人たちに「だいくさん、みましたか」と聞いたり、大工さんらしき格好をした人に近づいてみたらペンキ屋さんだとわかったり、大工さんらしき物音がするので近づいてみたらゴミ清掃車だったりしながら、地区センターまで歩いて行きました。

地区センターに着くと、窓口に行き、

「だいくさん、いますか」

と、ありむくんが聞きました。

「ここを修理してくれるおじさんはいるけど、大工さんはいないわねえ。何か作りたいの?」

「かんらんしゃ」

事務所にいた大人全員が大笑いしていましたが、すぐに「すごいのつくるのねぇ。ショベルカーとか探していったら、そこに大工さんいるかもね」と教えてくれました。


保育室に帰り着いてから、みんなに大工さん探しの話をしました。

「つくりかたをしらべなくちゃね」

「ダンボールじゃだめなの?」

「おかねもたくさんいるよね、せんえんくらい」

ありむくんは

「とにかく、あしたは、ほんもののかんらんしゃをみにいこう」

とみんなを誘っていました。


さてさて、どうなることやら。

子どもの後にくっついて、楽しんでいます。

コドモコトノハ「ここに、かんらんしゃをつくるんだよ」(ありむ6歳)