保育と遊びのプラットフォーム[ほいくる]

コドモコトノハ「もうすぐって、いつ?」さくたろう(4歳)

青山誠
掲載日:2013/12/20
りんごの木の中で、一番大きい人たちのことを「一番組」、二番目に大きい人たちのことを「二番組」と呼んでいます。

二番組のさくたろうくん。
お母さんから「もうすぐ、さくたろうも、一番組だね」と言われました。
そのことがとてもうれしかったらしく、りんごの木に来て、いろいろな人に

「さくも、もうすぐ、いちばんぐみだって!」

と言ってまわりました。

そんなある日、保育者が「一番組の人、さきにリュックを持ってきてね」と言うと、さくたろうくんも、勇んでリュックを取りにいきました。

まわりの子たちから

「さくは、にばんぐみだろ!」「さくは、まだ!」

と言われ、泣き出してしまいました。

「おかあさんが、もうすぐ、いちばんぐみって、いったんだもん。だから、さくは、もういちばんぐみ」

「だから、それはもっとさきのことだよ」

と、一番組の子どもらがなだめますが、さくたろうくんは困りはてるばかり。

「もうすぐって、いつ?あと、なんかいねたらなの?」

泣きながら、さくたろうくんは聞きました。

それで、カレンダーを持ってきて、みんなで数えてみました。
一つ、二つ、と数えながら、一日、一日、赤いペンで丸印をつけていきます。
すると、なんとあと77回も寝たら、でした。

さくたろうくんは、目に見える形で日にちを数えたことで、ようやく納得したようでした。

「もうすぐって、まだまだなんだね」

「大人のもうすぐはね。さくが、もうすぐって言ったら、何回寝たらくらい?」

と聞くと、「あしたか、あしたのあしたかな」とのこと。


大人のもうすぐと、子どものもうすぐ、こんなにも違いました。

コドモコトノハ「もうすぐって、いつ?」さくたろう(4歳)