保育と遊びのプラットフォーム[ほいくる]

製作からみる、感性の成長#05『こども美術館』 後編 〜異素材を組み合わせる〜

田中 令
掲載日:2025/03/12
製作からみる、感性の成長#05『こども美術館』 後編 〜異素材を組み合わせる〜
こんにちは。美術教育家の田中令です。
様々なアート遊びを紹介してきた昨年を踏まえ、今年は美術表現をベースに「こどもたちに委ねた先の世界をのぞく」エピソードをご紹介してきました。

今年度の連載の締めくくりとして、今回はこどもの表現を美術館のような形で、前後編に分けて紹介します。
後編は、「異素材を組み合わせる」作品を集めました!

作品NO.1

画用紙にえのぐをのせたあと、はさみを入れた作品。
その思い切り、なかなか真似できません...!

作品NO.2

正方形のスチレンボードに、丸い画用紙やはさみで切り抜いた形、ペンの描画を重ねた作品。
背面にも黒画用紙が貼ってあり、モードな世界観を感じます。

作品NO.3

クレヨンで描いた上に、えのぐを重ねた作品。
はじき絵でお馴染みの手法ですが、自らそれを発見していました。

作品NO.4

まるく切った画用紙に、丁寧にペンで色を重ね、それを赤い画用紙に構成した作品。
飛行船のようにも見えるし、言い切りのある抽象画にも見えます。

作品NO.5

青い画用紙にのびのびと絵を描き、丸い折り紙で構成した作品。
描画が幾何学的なので、丸い形が馴染んでいます。

作品NO.6

様々な色の画用紙を数枚綴じて本をつくり、1ページづつ作品を描いた作品。
パステルで描いた建築のような形に、シールと切り絵を構成しています。 


いかがだったでしょうか。今回紹介した作品は、3歳から8歳のこどもたちによるものです。
前編でご紹介したえのぐの作品とはまた違う、こどもたちの着実なこだわりや意思を感じます。その姿勢はもちろん、作品そのもののかっこよさにもうっとりしてしまう私です。



一年を通して、“こどもたちに委ねた先の世界をのぞく”連載をさせていただきました。
そこには、おとなが思う以上にたくましいこどもたちの姿があります。
「こどもを一人の人として尊重する」という姿勢から、幼稚園をつくったフリードリヒ・フレーベル氏も、そんなこどもの姿を見ていたのかなと想いを馳せる日々です。

一年間、お読みいただきありがとうございました!


前編記事は、こちら。

製作からみる、感性の成長#04『こども美術館』前編 〜えのぐを味わう〜

製作からみる、感性の成長#04『こども美術館』前編 〜えのぐを味わう〜

こんにちは。美術教育家の田中令です。
様々なアート遊びを紹介してきた昨年を踏まえ、今年は美術表現をベースに「こどもたちに委ねた先の世界をのぞく」エピソードをご紹介してきました。

今年度の連載の締めくくりとして、今回はこどもの表現を美術館のような形で、前後編に分けて紹介します。
前編は、「えのぐを味わう」作品を集めました!