好きなことをして遊べる時間がありますか?〜柴田愛子さんへのみなさんの回答とせんせいゼミナール『現場の子ども学』のようす〜
寄せられた回答と、セミナーでの愛子さんのお話の一部をご紹介します。
今回の愛子さんからみなさんへの質問
子どもが好きなことをして遊べる時間がありますか?
大体、どのくらいの時間ですか?(「ある」と答えた方への質問)
「1日を通して」という回答が約全体の4分の1で、続いて「2時間位」「3時間位」という結果でした。
子どもから生まれた、おもしろい遊びがあれば、教えてください。
コンサートごっこ。
ボールを卵に見立て、恐竜になりきり卵を守る。
落ち葉と小枝で、焼き鳥屋さんごっこをしました。木のテーブルが、焼き網。葉っぱのお金で買い物。1歳児の園庭遊び。
木の葉や実を水に入れて棒でかきまぜ、泡をブクブクと作る「泡水作り」。
2歳児、ジュースやお菓子を持ち寄ったパーティごっこ。時々開催している家では作り置きのご飯なども登場してかなりリアルです。家庭での母の姿なども反映され、気がつけばみんなでお母さんたちの真似が始まり大賑わいです。
二歳児。避難訓練のあった日の午後、おままごとのボールを頭に、なぜだかお人形のお布団をマントにして二人で腰を屈めて逃げていました。
野球ごっこ。牛乳パックでバットを作り、新聞紙でボール、ダンボールでキャッチャーの防具を作って園庭で野球をしました。
ウォータースライダー(滑り台に水を流す)、ボール鬼(ボール当てたれたら鬼交代)、歌鬼(鬼になったら歌いながらタッチ)、炭だんご(泥だんごに炭を塗る)、土対水(築山から水を流すチームと土で壁を作って堰き止めるチームで戦う)。
3歳児で、高い椅子に登って、段ボールをひたすら積んで高くする遊びが流行っていました。やりきると床に2、3個積んで助走をつけて飛び越えるスタントマンのような遊びに変化していき、ひたすら飛び続けていました。
段ボールだけでこんなに集中して工夫しながら、いろいろな遊び続けられるのがすごいと思った遊びです。
寄せられた回答を受けて
愛子さん:
子どもって、与えられたもので遊んでいるわけじゃなくて、遊びたい心があれば、ダンボールであろうと、滑り台であろうと、なんでも自分たちに都合よく取り込んで遊んでいるのよね。
本来あそび心って、子どもがみんな中心部に持っていて。主体的に遊びたい気持ちを吹き出せるといいなあって思うの。でもおせっかいな大人たちが、“これにしか遊べない”というものを提供したり、遊具とか教材とか子どもの遊びを刺激しすぎたりして、素朴な発想が、逆に吹き出なくなってしまいがち、と思うのね。
大人たちは、子どもを意図的に大人の指導のもとに育てていっていることがいいと思っちゃうけれど、今回のアンケートで、子どもたちから遊びが生まれていくようすを寄せていただいて、そうよね、保育現場はそう在りたいわよね、と思いました。
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『現場の子ども学』オンライン講座のようす
あそびはごはんのようなもの
毎日食べないと 元気が出ない
毎日食べているのに 飽きない
主食のご飯やパンが大事
ご飯もあそびも何の足しになっているか 定かではありませんけれど
心が喜んで 前向きに生きていけるには 絶対必要!
“あそびはごはん”というテーマから、愛子さんのお話がスタート。
「何の足しになっているかわからないけれど、子どもの笑顔と、満足感と、達成感みたいなものが生まれてくるわけですよね。」という言葉に、今まで出会った子どもたちの姿や場面が思い出されます。
また、自分で決めた好きなことをとことんやり続ける一週間、りんごの木の「とことん週間」のこれまでのさまざまなエピソードを通して、子ども同士の関係性が濃くなり“仲間”になっていくようす、そこに関わる大人の心持ち、追求することのおもしろさなど、今回もたっぷりお話をお伺いしました。
さいごに、「とことんをやる前に職員間で、あなたは何やりたい?というような話をして、まずは私だったらこれやりたいなあという、自分の中の蓋を開けてから話しかけたら、子どもの蓋も開くと思いますよ。」と愛子さん。
とことん好きなことを楽しんでみる時間や環境を考えるときの、さいしょの一歩にもなりそうです。
みなさんが、とことんやってみたいことは、何ですか?
次回のお知らせ
次回の開催は、2024年1月23日(火)です。
今回もまた、愛子さんよりみなさんへ質問をさせていただいていますので、ぜひみなさんの声をお寄せください。
保護者が得意ですか?苦手ですか?〜せんせいゼミナール『現場の子ども学』 ✕ HoiClue企画)〜
次回のテーマは、「保護者との関係はうまくいっていますか?」。
みなさんは、保護者が得意ですか?苦手ですか…?
質問は、イベントの申込み有無に関わらずどなたでもお答えいただけます。
(もちろん、講座へのご参加も大歓迎です。質問への回答を元にした愛子さんのお話を予定していますので、お楽しみに!)
※回答受付期間:2023年12月19日(12:00)頃
【せんせいゼミナール】現場の子ども学 ~保育に効くビタミン剤~ <第9回>
テーマ:保護者との関係はうまくいっていますか?
いろいろな要求を押し付けてきたり、子ども同士の関係まで口を出したり、保護者って苦手だなあ、と思っていませんか。最近では「不適切保育」が話題になってさらに親の目が気になってしまうという人もいるかもしれません。
一方、保育者の側もつい専門職の立場を意識しすぎて、ぎくしゃくした関係がさらにこじれてしまうことも。
「親は敵ではありません」、当たり前ですが、これが大前提です。 子どもが一人ひとり違うように、親も一人ひとり違います。ドキュメンテーションの取り組みもそうでしょうが、子どものいい話を共有し、相棒としての意識が築けたらと思います。
保護者といい関係になるための具体的な提案を語ります。