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【保健コラム】寝かしつけの“困った!”を解決?赤ちゃんの背中のスイッチ対処法

神谷知子
掲載日:2017/04/05
【保健コラム】寝かしつけの“困った!”を解決?赤ちゃんの背中のスイッチ対処法


抱っこから横に寝かせようとするにも、なぜか背中がお布団につくと目が覚める子どもたち…

今日は、そんな“困った!”にもってこいの、寝かしつけ大作戦をご紹介!

新人さんも明日から使えるテクニックをお届けします。

赤ちゃんの体の秘密

赤ちゃんのイラスト


赤ちゃんは、背骨がCのようにカーブしています。
これが、成長と共にS字カーブと言われる背骨の形に変わります。
S字カーブは3歳ごろに整ってきます。

Cカーブが普通の赤ちゃんにとって、背中を伸ばして上向きで寝るというのはちょっと違和感のある姿勢なのです。
また赤ちゃんは頭とお尻を抱えられた丸いポジションをとることで安心するといわれています(子宮の中にいた時のような感覚になるそうです)。
*新生児集中治療室(NICU)などでも、ポジショニングという方法として行われています。

寝かしつけの最後に赤ちゃんが気付いてしまうのは、Cカーブが崩れたり、安心のポジショニングが崩れたりすることが一つの要因になっていることも。

ここからは少し気を付けるだけでぐんと赤ちゃんが眠りやすくなるテクニックをご紹介していきます。

背中のスイッチ対策テクニック

1、抱っこで赤ちゃんが眠ったことを確認したら、できるだけCカーブを崩さないように、そーっと寝かせる。

2、お尻がお布団についた時が第一関門!
 お尻の下に手を置き赤ちゃんをホールドする(支える)。
(少しトントンや揺らしを入れて、揺れている心地よさを伝えるのも良いですね。)

3、徐々に背中をお布団に付けていく。
背中が浮いていると不安定で起きてしまう子には、お尻の手を背中に変えて支えたり、トントンで少し揺らぎを伝える。

4、頭が布団に接するときには、赤ちゃんの首が伸びてしまわないよう気を付ける。

5、頭がついたらお布団をかけ直して体に沿わせ、足や腕がくるまれるようにする。

6、頭を反対の手のひらで優しく持ち上げ、腕枕の腕を抜く。
赤ちゃんが目を覚ましやすいので、トントンをしたりお尻や頭をホールドして(支えて)落ち着かせてあげる。

横向き大作戦!

上向きで赤ちゃんを寝かせることが難しい場合は、横向きになるようにし、赤ちゃんと共にお布団に横になる。
保育士の腕抜きまでできたら、体位を上向きにそっと戻す。

寝かしつけあるあるQ&A

Q:赤ちゃんが深く眠ったタイミングがわからない


A:「体重の重みが増したら」「力が抜けたら」…深く眠ったといわれます。
でも、なかなか分からないという場合、赤ちゃんの腕をちょんちょんとゆすってみましょう。
もしくは少し持ち上げて離します。
ストンと腕がおちれば深く眠っている証です。
ただ、どんなに深い眠りでも、お布団に寝かせるときは丁寧にそーっと心を込めて行いましょう。

Q:焦っている気持ちが伝わっているのか全然寝てくれないときがあります。

A:赤ちゃんを寝かしつけていると何度も出会うこの場面。
NICU~保育園時代に私も何度も経験しました。
保育者の焦りが赤ちゃんに伝わっているのではと思えますよね。
実際に伝わっている…?のかもしれませんが、抱っこしている保育者の体に力が入り、抱かれ心地の悪さを感じ取っているのかもしれません。
自分の焦りに気づいた場合はまず深呼吸しましょう。
焦る理由は色々あるかもしれませんが、この際焦る要因は横に置いて、「目の前の赤ちゃんと向き合おう!」という風に考えを変えてみましょう。
そうするとすっと寝てくれることが多いような気がします。
「大丈夫。大丈夫」とぶつぶつ唱えたりすることも効果的でした。
なかなか気持ちは切り替えられないかもしれませんが、困った時は一度お試しください♪

最後にひと言

子どもが眠れない要因は沢山あります。心理的な要因や環境要因もあるでしょう。
この子は一体どうして眠れないの?ということの答えは、毎日の保育の中で子どもから学んでいくことでもあります。
ただ、保育中によくおこり、経験がないために寝かしつけができず困り果てて自信を無くしている保育士さんのお役に少しでも立てればと思います。