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キッザニア東京の創業メンバーが語る、キッザニアが子どもたちの「わくわくする場所」になれた2つの理由〈前編〉

ほいくる編集部
掲載日:2016/11/14

子どもにとって「わくわくする場所」にするために大切にした2つのこと


“こどもが主役の街”であるキッザニアが、子どもたちにとって「わくわくする場所」であるために、大切にしていることってあるんですか?
保育のヒントにもなりそうなので、ぜひ教えてほしいです。

うーん、色々あるんですけど、私が仕事をしていた時に特に大切にしていたのは「子どもに嘘をつかないこと」ですね。

擬似的に作った街ではあるんだけど、子どもにとってはリアルな街であるように、色々な企業さんに協力して頂いて、環境もプログラムも吟味して作っています。だからこそ、子どもたちも熱中し、わくわくしているんだと思います。

たとえば、警備会社のパビリオンがあるんですけど。
そこでは、デパートの売上を銀行に持っていくという「現金輸送」の仕事をするんです。その輸送のなかで毎回、お金を奪おうとする悪者がでてくる…とかすると、体験としては絶対盛り上がるんですよ。「悪者からお金を守ったぞ!」、みたいな(笑)。
でも、そういうことはキッザニアではしないんです。

警備員の仕事って本来、そういう悪い人がこないようにすることじゃないですか。
警棒を持っているのも、構えをきちんとするのも、そもそも現金を奪おうとする人がこないようにするためのもの。だから、話を盛り上げるために悪者をつくって、その人をやっつけたやったーっていうのは、嘘だし、どんどんリアルからはかけ離れていってしまうので、キッザニアではしていないですね。

それ、おもしろいですね。
保育の現場だと、嘘ではないけれども、大人が盛り上げるポイントを作りがちな部分もあるかもなぁ。


気をつけないと、子どもへのサービスのつもりで、ついやってしまいますよね。
でもそこを意識できるかどうかで子どもたちができる体験の質が大きく違ってくるので、大事にできるといいですよね。

あともう一つ。「子どもを信頼すること」も大切にしています。

もう今はないんですけど、昔「カメラマン」のアクティビティ(職業)があって、そこでは当時最新の一台20万円くらいするデジタル一眼レフカメラを使っていたんです。

えぇ!20万!!

そう、かなり高額なものだし、こちらとしても結構勇気がいることだったんですが、そのカメラを持った子どもたちの眼を見た時、「あぁ子どものこと信じてよかった。」って本当に思いました。
ちなみに、わたしが在籍中少なくても8年間は、子どもたち一台も壊さなかったんです。

それはすごい!!

子どもを信頼して任せる、託すということをするからこそ、広がる世界があるし、子どもたちがわくわくする瞬間がたくさん生まれるんだと思います。

きっとそれは、保育の中でも言えることかもしれませんね。


前編はここまで。

後編では、あそびについて詳しくお話を伺います!



しみず みえ


しみず みえこども×おとな×しごとプロジェクト代表
あそびコーディネーター
1977年生まれ。玩具メーカーでの企画開発、KCJ GROUP(株)でのキッザニア東京の創業、こども向け体験プログラムやキャリア教育プログラムの企画運営などに携わる。
現在は、おとな・こどもが共に自分らしさを育むことを目指し、親子で絵本や遊びを味わうワークショップの企画・運営や、保護者向け講座、こども向け体験プログラムの企画などを行う。2児の母。

こども×おとな×しごとプロジェクト
「あそびのじかんあそびのじかん-こどもの世界が広がる遊びとおとなの関わり方」


雨宮 みなみ(あめみやみなみ)


雨宮 みなみ(あめみやみなみ)こども法人キッズカラー代表

1986年生まれ。和泉短期大学児童福祉学科を卒業後、保育士として6年間子どもたちと携わった後2010年起業。自身の保育士経験を軸に、「あったらいいな」を形にHoiClue♪の立ち上げを行う。
2014年に第一子を出産し、一児の母でもある。



(執筆:三輪ひかり / 撮影:三輪ひかり)