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昔から今に受け継がれているもので、よかったなあと思うモノ・コト〜HoiClue Lab.あそび探究室セッションレポート#09〜

水岡香
掲載日:2026/01/30
昔から今に受け継がれているもので、よかったなあと思うモノ・コト〜HoiClue Lab.あそび探究室セッションレポート#09〜

HoiClueで運営している「HoiClue Lab.あそび探究室」。Lab.メンバーさんとのセッションの時間が、毎回発見や気付きにつながることばかりなので・・・3期目となる今年度より、その中身を月1回、みなさんにもほんの一部だけお届けしていきたいと思います。

今回紹介するのは、2026年1月のセッションより「昔から今に受け継がれているもので、よかったなあと思うモノ・コト」をテーマにした話のなかで出てきたエピソードたちです。

あそび探究室のLabメンバー

保育園、こども園、幼稚園、発達支援施設、児童館、園の外部講師など、さまざまな場で子どもたちと関わっているLabメンバー。経験年数やバックグラウンド、お住まいの地域も全国各地それぞれです。
今年度は11名で活動しています。

いつもと違う休み明け、特別な挨拶

年末年始の休み明け、保育園に来た子どもたちの様子は、いつもとどこか違う。
保護者が先生に「今年もよろしくお願いします」と挨拶をすると、子どもたちも何か特別な雰囲気を感じ取るのか、少し神妙な顔で「あけましておめでとうございます」と言ってくれることがある。

0〜2歳の子どもたちは、年を越すことの意味がまだわからないが、それでも親戚の家で聞いた挨拶の言葉を真似するように、小さな声で「おめでとう」と言ってみたり、初詣に行ったことを嬉しそうに話してくれたり。他の連休明けとは、明らかに何かが違う。

「一月一日」の歌、まつたけ?それとも松立て掛け?

日本人なら、一度は聞いたことがある「一月一日」という歌。
歌の中に「まつたけかーけて」という歌詞があり、その部分をずっと、キノコの松茸のことだと思っていたけれど、実は「門松を立てかける」という意味だったらしい。何十年も歌ってきて、今年初めて知った真実…!

こういう「なんとなく知っているつもりだったけど、実は違った」という発見が、大人になってからもある。それもまた、昔から受け継がれてきたものの面白さなのかもしれない。

“よそはよそ、うちはうち”

家庭ごとに存在する昔からの文化やルール。きっとどの世代にもあるのでは?
例えば、「門限は5時。チャイムが鳴ったら帰る」「大人はこっそり夜にお菓子を食べていいけど、子どもはだめ」など。

子どもの頃は納得できなかったようなこともあったけど、大人になって世の中には理不尽なことがたくさんあるなと知って、今振り返ると、子どもが全てを理解できない小さな理不尽なことに出会っていくのも悪いことではないように思う。

子どもたちに丁寧に説明することも大事かもしれないが、ときには理由があったりなかったりする、"うちはうち、よそはよそ"というようなルールに出会っていくのも一つの経験として良いのかもしれない。

地域が育む、暮らしの文化

全国各地から集まるLab.だからこその会話も。

静岡県の富士山が見えるところでは、冬になると保育園で「ふじの山」の歌を歌うのが定番。
何気なく年少さんでも歌えて、富士山を見て「明日は雪が降りそうだね」「赤いから天気がいいかも」と会話をする。そうやって歌も引き継がれ、富士山がみんなの生活の一部になり、子どもたちのそばにある。

北海道の雪深い時期は、ベビーカーが使えないので、代わりにソリを使うのが日常風景。子どもたちをソリに乗せ保育園に登園したり、スーパーに買い物に行ったりする。
学校では、冬の体育の授業はスキー。雪の中でサッカーもしていた。

お正月に食べる“なます”は紅白なますではなく、ピーナツが入った“ピーナツなます”だった。外で食べるなますを見て、あれ違うな?と思っていたが、祖父の故郷である千葉県の特産がピーナツだったからだと大人になって知り、納得。

滋賀県では、毎年「滋賀県書き初め大会」という書き初め大会があって滋賀県民は子どもの頃から参加する。滋賀県の書道は独特で、「半紙からはみ出しましょう!」みたいな感じで、力強く書くのが特徴。きれいに書くとかではなく、味のある作品ができあがり、良い文化だなぁと思う。

***

昔から受け継がれているものをテーマに話してみると、地域、家庭など、それぞれの昔から今に伝わるモノやコトがたくさん。
全国各地のLab.メンバーさんの話を聞いていると、食べ物、挨拶、遊び、歌…そのどれもが、子どもたちの身体や心に自然と刻まれ「文化」としてまた次の世代に受け継がれていくんだなと思った時間でした。

みなさんが、昔から受け継がれているなと感じることや、経験はありますか?
ぜひ読者のみなさんからも、いろんなエピソードをお寄せいただけたらうれしいです。

それでは、次回のあそび探究室レポートをおたのしみに・・・!