「子どもの自己決定が保証される場所」ー木更津社会館保育園(千葉県 木更津市)
今年から社会館で働き始めた中野先生と田浦先生。共に遠方から引っ越ししてまでこの保育園を選んだ理由は何ですか?
中野:今年の3月に大阪の大学を卒業し、新卒で社会館に就職しました。子どもと直接関わる仕事をしたいと思い、保育士を選びました。
社会館はTVのドキュメンタリー番組で見たことがあり、気になっていたんです。
就職活動の時思い切って見学に来てみたら、園内を裸で走り回る子どもたちを見て、とても驚くと共に「ここで働きたい!」と思ったので、そのまま来てしまいました。

9年目に入ると保育を楽しめなくなってしまったんです。日々の忙しさから効率を優先することばかり考えてしまって…。
新しい土地でもう一度真っ白な気持ちで子どもたちと向き合いたいと思い、里山保育をしている園を探していたとき、社会館の保育方針に共感し入社を決めました。
子どもたちと過ごす中で、大切にしていることは何ですか?
中野:子どもたちが思いっきり遊べる環境づくりを心掛けています。そのために常に子どもたちと行動を共にしています。
遠目で見たらどこに先生が居るのか分からないくらい、子どもたちの風景に溶け込みたいです。
田浦:以前の保育園では子どもたちの声を聴くことを大切にしていましたが、今は子どもたちが泣いたりケンカしていてもすぐそばに行かず、見守るようにしています。
まずは子どもたち同士、もしくは自分自身で乗り越えることを社会館では大切にしているからです。
大変だと感じる事はありますか?またそれを乗り越えるためにどう対処していますか?
中野:私は仕事自体が初めてなので、主体的に1日の流れを作ることが難しいです。研修的なものも無いので、どうすればいいか分からない時も自分で考えて行動するしかありません。ここには、モデルはあってもマニュアルはないのです。田浦:子どもたちとの信頼関係をもっともっと深めたいです。
以前の保育園では、泣いたりケンカしたりする子たちの話を聴くことで、信頼関係を築いていましたが、社会館ではそうゆう場面で先生は子どもたちの中に入らないので。
もうとことん子どもたちと遊びこんで関わる時間を増やしていくように心がけています。
ある日、園児をおんぶしていたら他の子に「(おんぶしてるのは)せんせいがいやされるからやってるんでしょ?」と言われたんです。
子どもたちのため、と思って行動したことが実はそうではなかったというのを見透かされた気がして、ドキッとしました。
