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【Q&A】髪をひっぱるのをやめさせて仲良くあそんでもらいたい

幾島博子
掲載日:2015/10/26
【Q&A】髪をひっぱるのをやめさせて仲良くあそんでもらいたい


質問

児童館など子どもたちが集まる場所で他の子の髪をひっぱってしまいます。
見ていると、理由がある場合と無いような場合があります。
理由がある場合は、おもちゃを取られたくないとか使っているおもちゃであそびたいなどです。
来年幼稚園なので、どんな理由であれ髪をひっぱるのをやめさせて仲良くあそんでもらいたいです。

(お子さまの年齢:3歳)

コメント

幾島博子

3歳のお子さんの、自分がこうして遊びたい、このおもちゃを使いたいという主体的な気持ちがしっかり感じられますね。



大人から見て理由がないように見えることもあると思いますが、意味もなく他のお子さんの髪の毛をひっぱるとは考えにくいので、よーく見てみてください。


もしかしたら、少し前の時間や前の日のこと、他の場面でのことなどと関係があるのかもしれません。



そして、髪の毛をひっぱる行動を物理的に制止しながら、「髪の毛ひっぱちゃダメでしょ!」としかるのではなく「このおもちゃ使いたいんだね」など、お子さんの気持をわかりやすい言葉にして受け入れてあげてください。



仲良くあそんでいる姿を望むのは大人の願いですが、お互いの主張がぶつかり合い、ぶつかり合ってこそ様々な関わりができる年頃です。


危険がばければ、ケンカも含めてたくさんの関わり合いがあることをゆったりと見守って欲しいと思います。



言葉で気持ちを表現できるようになれば、髪の毛をひっぱらなくても自分の気持を伝えられるようになるでしょう。



それまではその子の気持の表現のお手伝いをしてあげてみてください。


(NPO法人ふれあいの家-おばちゃんち代表理事 幾島博子)



雨宮みなみ

髪をひっぱったり、叩いたり、ドンと押してみたり…


保育士として子どもたちと一緒に過ごしていた時、そんな子どもたちの姿にたくさん出会いました。



嫌なことがあってしてしまうこともあれば、かまってほしくて気を引くためにすることもあったり、気持ちが高揚した時におもわず手が出てしまったり、モヤモヤしている気持ちが溜まっていて、そこからなんとなく手が出てしまったり。


行動1つの背景には子どもたちのいろーんな気持ちがあって、そしてその気持ちの表現の仕方もまた、様々でした。



先程の「手が出る」表現の方法の他に、怒る、いじける、泣く、癇癪をおこす、黙りこくってしまう、いじけてしまう…などなど。




生まれてまだ数年の中で、快・不快だけだった情緒に次第に怒りや恐れ、悲しみや驚きなどいろんな情緒が身についていく段階。


まだ自分の気持ちに言葉が追いつかないことも、きっとたくさんです。


他者との関わりの中での衝突したりと色んな体験をしながら、自分の気持ちに気付き、だんだんと表現の仕方や言葉、関わり方を子どもたちのペースで身につけていくのだと思います。



子どもの姿や様子をよーく観察してみて、何かしらのサインを見つけた時には、子どもの気持ちに寄り添いつつ、一緒に気持ちを表現してみると良いかもしれません。


本人もよくわからない感情のまま出てしまった表現に対して「それは痛いからやっちゃだめ」など注意されても、すぐにそれを受け入れたり理解することって、きっと難しいですよね。



まずは、「そうか。それは嫌だったね。」と気持ちに寄り添うことで、「そうか、この不快な気持ちは、“嫌だった”んだ。」と自分の気持ちと向き合い整理できるきっかけになり、少しずつ気持ちをコントロールしたり表現方法(髪をひっぱる以外の方法)を学んでいくステップになるのではないかな、と思います。



(キッズカラー代表:雨宮みなみ)



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