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学生さん向け!「保育者になる前に知っておきたい!保育者に本当に必要なこと」ってなんだろう〈イベントレポート〉

ほいくる編集部
掲載日:2015/06/05
学生さん向け!「保育者になる前に知っておきたい!保育者に本当に必要なこと」ってなんだろう〈イベントレポート〉


保育者になりたい!けど、同じくらい不安な気持ちを抱えている…そんな学生さんたちを対象にした保育キャリアセミナー『保育者になる前に知っておきたい!保育者に本当に必要なこと』(ラーニングバリュー主催)が先日開催されました。(2015.5.16)

今回HoiClue♪を運営するKids Color代表の雨宮が、参加者のみなさんに混ざって、保育現場でのリアルな体験談も交えながら『保育』についてのあれこれを一緒に考え、話し合ってきました。

セミナーのようす

会場に集まった学生のみなさん、ちょっぴり緊張気味な様子。
そんな空気をガラッと変えたのは、『ブーフーウー』というレクあそびと『なっとうネバネバ』の手あそび。 
体を動かしているうちに笑い声が広まり、ユニークなアイスブレイクとなりました(あそびの力ってすごい!)。

さて、場が和んだところで、自己紹介ならぬ他己紹介がスタート。
紹介し合う様子


紹介し合う様子


続いて、元保育士である雨宮の、保育現場のリアルな体験談。
「子どもが好きじゃなきゃできないけれど、好きだけじゃできない」そんな現実と向き合うことになり、保育士をやめたいと思った辛い時期のリアルな葛藤や、本当にあった現場の色々なエピソード、さまざまな保育園で経験を重ね、たくさんの疑問にぶつかりながらようやく見えてきた「自分が目指す保育のカタチ」についてなど。


昨年、男の子を出産し、保育士に子どもを預ける親という立場になり、はじめて保育士のありがたみを感じると共に、新たな視点をもって気づかされたことも。

「親が安心して子どもを預けたいと思える先生は、経験値や年齢は関係ない。子どものことを真剣に考えているかどうか。それが伝われば安心して預けられる」
その言葉に参加者のみなさんの表情が変わったように見えました。

雨宮さんのお話を聞く参加者の様子


ワークショップ〜そもそも保育って?知りたいこと・不安なこと〜

漠然と抱えている不安や知りたいことを出しきって整理してみることから、そもそも保育ってなんだろう?と改めて向き合ってみるワークショップがスタート。
まずは、みんなが抱えている保育についての知りたいこと、不安なことを付箋に書き出してみました。

付箋に書き出している様子

出てくる、出てくる…!

ホワイトボードに貼られた沢山の付箋の写真


〜知りたいこと〜

・子どもに対して怒ることができません。どうしたらいいですか?
・自分の想像と全く違う返事や反応が子どもから返ってきた時、どうしたらいいですか?
・先生によって言うことが違うのですが、どうしたらいいですか?
・学生のうちにしておくべきことはありますか?
・就職先をどのように決めたのですか?

などなど…
目前に迫る就職のこと、実習やアルバイトなどで子どもと触れ合う機会のある学生さんからは子どもとの触れ合い方に対しての質問がたくさん出てきました。

付箋を読む参加者の様子


ホワイトボードの横に立つ雨宮さんの写真


「子どもは想定外の動きをするもの。だからおもしろい!」
「その時どんな状況だった?自分が子どもだったらどう感じるだろう?」
 
ひとつひとつ質問を打ち明け、みんなで立ち止まって考えたり話し合っているうちに、だんだんと自分なりの答えやヒントが見えてきたようです。

〜不安なこと〜

「不安なこと」は知りたいこと以上にたくさん!
保育士という夢に向かって勉強や実習を経験する中で、真剣に考えているからこそ、不安は大きくなっているようす。

・職場の人間関係が複雑だと聞いたのですが…。
・いろんな考えの保護者がいる中でどのように対応してよりよい関係を築いていけばいいか不安。
・ピアノが苦手。絵が苦手。歌うことが苦手なのですが…。
・4大卒と短大卒で見られ方や仕事内容に違いはありますか?
などなど。

話し合う参加者たちの様子


「いろんな方法があるからそんなに深刻にならなくても大丈夫。
苦手なことにフォーカスするだけでなく、得意なことを活かしてカバーする方法や自分の得意なことが活かせる就職先を見つけてみては?」

「誰かと比べて引け目を感じることはない。大切なのはどれだけ子どもと真剣に向き合っているかどうかで、経験値や年齢は関係ないのでは?」

と、「どうしよう」という考えから、「どう向き合ったらいいだろう?」という視点に移しながら改めてみんなで考える時間となりました。

そして、今日話したことは一保育士の一つの考え方であって、決して「正解」ではないということ。
これからたくさんの子どもや先生と出会い、経験していく中で、自分なりの考えや保育を見つけていってね、ということを最後にみんなで共有しました。

スクリーンに映し出された「子どものことを真剣に考えること、保育に正解はないこと」の文字


漠然と抱いていた不安をみんなと共有して整理できたことで、視野が広がったり、解決策が見つかったり…最後には自然と笑顔が広がるワークショップとなりました。

セミナーに参加してくださったみなさんの感想

・自分の知りたかったことはもちろん、同じ夢をもつ人たちと話し合うことができ、多くのことを学ぶことができました。(大学3年生・女性)

・保育には正解がないというお話の中で不安が解消されていきました。(大学2年生・女性)

・2年生になり、実習もはじまって何もできていない自分に不安や焦りを感じ、今回のセミナーに参加しました。子どものことを真剣に考えることが大切だと気づくことができ、考え方が大きく変わりました。(大学2年生・女性)

・普段あまり聞くことのできない現場の話が聞けたり、母として子どもを保育園に預ける気持ちも知ることができ、今までとは違う視点で保育のことを考えることができました。(大学4年生・女性)

・本当に保育士になりたい!と思っていた時の気持ちがまたよみがえってきました。保育士自信が楽しむ、子どもと真剣に向き合うことが、子どもにとっても親にとってもいいことなのだと思いました。(大学1年生・女性)

・「今だけでなく、これからのことを考える」「子どもと真剣に向き合う」などセミナーで学んだことを忘れないように、今日のメモをこれからもたまに見返したいと思います。(大学1年生・女性)

セミナーを通して

真剣だからこそ湧き上がる不安。
知らないこと、見えない部分が溢れているから出てくる不安。
一人で考えるから、余計に広がる不安。

それらの不安を共有してみることで、見えてきたこと。
リアルな体験談通して「知る」ことで、イメージがクリアになって考え方の幅が広がったこと。

真っ直ぐに、そして真剣に「保育士」という仕事に向き合いながら、自分なりのヒントを見つけて顔をほころばせる学生さんの姿が、とても心強く感じた時間でした。

参加者たちの集合写真


今回のセミナー主催者、ラーニングバリューさんが主催している
「子どもと自分を好きになる!保育キャリアセミナー」はこちら
http://hoiku-career.jimdo.com/