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8月の指導計画(月案)<4歳児・幼稚園>

新 幼児と保育
掲載日:2021/07/30
8月の指導計画(月案)<4歳児・幼稚園>

夏休みで指導計画がない8月は…
「10の姿」につながる取り組みとして、「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」を見つめるための現場での実践をご紹介。

毎月さまざまな園の指導計画をご紹介している、保育の専門誌『新 幼児と保育』2021年8/9号ふろく「2021年度版指導計画」よりお届けします。

4歳児からの指導の積み重ねが「10の姿」につながる

5歳児後半の姿として示された「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」は、幼稚園教育要領にもあるように、5歳児に突然見られるようになるのではなく、3歳児、4歳児から、それぞれの時期にふさわしい指導を積み重ねていくことが必要です。指導の改善を図るために、日ごろから、具体的な幼児の姿や環境構成、保育者の援助などをふりかえっていますが、今回は「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」を視点として考察しました。

「カブトムシを作りたい」(9月)<エピソード>

園庭でバッタなどの虫探しを楽しんでいたA児が「カブトムシを作りたい」と製作コーナーに来て作り始める。それを見たB児は「ぼくはクワガタにしよう」と同じ場で作り始めた。B児は「できた」と満足そうであったが、脚は4本であった。A児「違うよ。脚は6本なんだよ」
B児「でもさ......」
A児「脚は絶対6本だよ」
保育者「見に行ってみようか?」
A児「いいね!行こう行こう!」
B児「ゴー!7」A児とB児は、壁面に貼ったクワガタの写真8を見ながら「1、2、......6!」と数え、顔を見合わせながら「6だ!」という。
A児は「こっちも見てみよう!」と飼育ケースに入ったカブトムシの方へ行き、そっと持ち上げる。
B児「やさしくだよ!」
みんなでカブトムシを見る。
A児「羽がこうなっているんだね」
保育者「本当だね」
B児「ぼく、脚を6本にしよう」
製作コーナーに戻って、B児は脚をつけ加え、A児も紙をカブトムシの羽の形に切って作りあげた。
それぞれの虫ができあがると、ふたりで動かしたり、とんとん相撲をしたりして、一緒の場で遊ぶことを楽しんでいた。


<保育者のとらえや思い>

虫探しを楽しんだ経験から虫を作りたいという思いが出てきた。友達とかかわりながら作りたいものを作っていく楽しさを味わえるように、イメージを実現できるような素材を出そう。

脚の数に気づいたので、自分たちで見て確かめられるように促してみよう。

友達と一緒に実物を見たりふれあったりすることを楽しんでいる。幼児同士のかかわりを見守ろう。

B児は自分でカブトムシを作ったり、実物をさわったりしている中で、生き物への親しみを持つようになってきている。

友達の姿や実物を見ることで、自分で作ることができたという自信につながった。

ダウンロードすると、以下のくわしい内容をご覧いただけます!

・遊びの過程の読み取り  
・「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」を視点としてふりかえる…ほか

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