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8月の指導計画(月案)<3歳児・幼稚園>

新 幼児と保育
掲載日:2020/07/31
8月の指導計画(月案)<3歳児・幼稚園>

夏休みで指導計画がない8月は…
「10の姿」につながる取り組みとして、「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」を見つめるための現場での実践をご紹介。

毎月さまざまな園の指導計画をご紹介している、保育の専門誌『新 幼児と保育』2020年8/9号ふろく「2020年度版指導計画」よりお届けします。

「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」 (10の姿)を通して子どもを見つめる

「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿(以下「10の姿」)」の具現化を目指して、 教育要領告示年度に指導計画の見直しをしました。

また、子どもの生活の様子を見取る際には、適切な指導の積み重ねによって、将来「10の姿」につながっていくことを見通して、子どもの成長や変化を見つめるように心がけています。日々の実践の質を高めていくために 、5歳児修了時の「10の姿」を見通しながら、子どもの様子に意味づけ、価値づけをしながら記録したり、 ほかの職員と共有したりしながら、次の指導計画に生かしています。

「10の姿」を通して子どもの姿を見取ったエピソードを紹介します。 

「カナヘビとのさよなら」(3歳児9月)

クラスで散歩に出かけたとき、草むらに可愛いカナヘビを見つけました。みんなで追いかけて、やっと保育者が捕まえました。子どもたちは「見せて、見せて!」「かわいい、小さい」と大はしゃぎ。※1そこで、クラスで飼うことにしました。飼育ケースに土や木、草などを入れて、よく面倒を見たつもりでしたが、カナヘビは弱っているようでした。そこで、みんなで相談して逃がすことにしました。園庭の花壇の近くで、Nちゃんは、カナヘビを手のひらに乗せて逃がそうとしましたが、カナヘビは逃げていきません。※2逃がしたくないNちゃんは、「ここが気に入ったんだよ」と主張します。E君たちは、「ママに会いたいはずだよ。お腹もすいているよね」と、Nちゃんをなだめます。しばらくして、カナヘビは園庭の陰に走って行きました。

※1 指導のポイント
子どもたちが興味や関心を持っているカナヘビを先生や友達と一緒に飼育することで、クラスの共通の話題ができる。共通の話題を通して生きものに対する好奇心や探究心を育てることで、将来の【協同性】【自然との関わり・生命尊重】につなげていく。

※2 指導のポイント
3歳児なりに自分と友達の思いの違いに気づいたようだ。E君たちは自分の考えを言葉で伝えている。ここを大事に育て、将来の【言葉による伝え合い】の育ちにつなげていく。

(※ダウンロードすると、もう一つの記録をお読みいただけます)

「預かり保育」での「10の姿」の具現化を図る

幼稚園教育要領第3章「教育課程に係る教育時間の終了後等に行う教育活動などの留意事項」の1―(2)を受け、夏休み中の「預かり保育」の計画も「10の姿」具現化を目指して指導計画を作成しています。
夏休み中も登園してくる子どもたちの発達の連続性を意識することで、子どもたちがいろいろな面で成長すると考えています。7月の後半(1学期の終わり)と9月(2学期の始まり)を意識してつないでいくことにより、子どもたち一人ひとりのよさを伸ばしていけると思います。

また、「預かり保育」は、異年齢の子どもたちがかかわる絶好の機会ととらえ、互いを刺激し、育ち合えるような活動の工夫やペアリングを計画していく必要があると考えています。

(※ダウンロード すると「1日のスケジュール」をお読みいただけます)

ダウンロードすると、以下の内容をご覧いただけます

・「10の姿」を通して子どもの姿を見取ったエピソード&指導のポイント
・一日のスケジュール 環境構成と援助・配慮のポイント
・8月のトピック

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