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どうして交流しないの?「人」という観点から、西村さんが保育業界について考える<後編>

ほいくる編集部
掲載日:2016/04/11

子どもを預けて外出したら...保育士さんに怒られた。これってダメなの?


西村創一朗

ちなみに話が変わるんですが、正直な話、親と保育士さんって対立構造になっているんじゃないかなと思っています、僕は。

雨宮みなみ

何かそういう経験があったんですか?

西村創一朗

この間、3人目が生まれたんですね。妻の出産前に、行けるうちにと、子どもを保育園に預けて、二人で表参道でデートに行ったんですよ。その後、保育園に子どもを迎えに行ったらめっちゃ怒られて。「何考えてるんですか!?」みたいな。

雨宮みなみ

先生に?

西村創一朗

はい(笑)。「西村さん、今日お仕事は?」「いや休みです」、「お休みってことは何をされてたんですか?」、「妻とお出かけしてました」、「はあ?」みたいな(笑)。


保育士さんからすれば、子どもは本来、親が見るべきであって、保育と保育園に預けるっていうのは仕事など止むを得ない場合を除いてはあってはならないというそういう価値観に凝り固まっている気がしていて。

雨宮みなみ

まぁ、私もそういう教育を受けてきましたね。

西村創一朗

僕の中で、保育士さんってスクラムを組む仲間だと思っていて。「この子をいかに育てていくか?」っていう共同養育者でいたいなと。でも、迎え1分でも遅刻すると怒られたり(笑)。

雨宮みなみ

ありますね(笑)。

西村創一朗

もちろん、僕みたいな親が保育士に甘えてばっかりっていうのもダメなんですけどね。でも、お互いがお互いをちゃんと尊重しながらも、一緒にこの子どもたちをどう育てていくのかという観点でやれたら、お互いがぶつかり合うことはないのかなと。

雨宮みなみ

そうですね。どちらが悪いというよりは、“そういうもの”として根付いてしまっている価値観や文化みたいなものがあるのかなと。


園によっても異なるので、いろんな取り組み方や考え方があると思いますが、保育士自身が他を知らないと、初めて出会った保育園のルールが全て、となり兼ねなくて、立ち止まって見直したりする機会や余裕がない。そしてそれが引き継がれていって。


私自身も園を変えたことがあるんですけど、その転職先って180度違う考え方をしていて。「えっ、嘘でしょ?」と。

西村創一朗

いわゆるカルチャーショックですね。僕がさっき話したことと、とても近いと思うんですけど、やっぱりお互いがどれだけ大変なのかを知るべきだと思います。


保育園の先生って、子どもやその親と向き合う時間以外の部分の雑務が多すぎる。事務作業とか、プリント未だに頑張って手作りだったりしますから。


そういう専門のスタッフを入れて、もっとIT化して交流化して子どもに対して向き合える時間、あと、もっと語らう時間とかを設けたらいいのになって思うんですけど。


だからもっとテクノロジーの力をもっと効率化できるところはするべきだし、人にしかできないところを、保育士さんはやってもらう。人にしかできない最たるところは絶対コミュニケーションなので。