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「子どものために、親は犠牲にならなくていい」子育てメディアConobie編集長の考える子育て支援〈前編〉

ほいくる編集部
掲載日:2016/03/05
渡辺龍彦

子育ては今、非常に困難さが多い。つまり「障がいがある」分野だと思うので、それを少しでも減らしていきたいなと。
そのためには、絶対的な「あるべき子育て論」を押し付けるのではなく、家族ひとりひとりの個性と向き合いながら、自分たちにとってのベストを考えて欲しい。家族のカタチの数だけ答えがある。そう考えています。


この「自分たちにとっての」というところがポイントで、「子どものためだけの」ではないんです。親にも尊重されるべき個性がありますし、「子どものためには親はかくあるべき」というメッセージだけだと、自己犠牲を前提としているようで、ちょっとしんどいと思うんですよね。


親が生き生きと自分らしく生きられることが、家庭の空気に余裕をつくり、最終的にそれが子どもの育ちに良い影響を与える。そういう順番だと思っています。


だからConobieでは、親ももっと自分のことを考えていい。大切にしていいんだということを、メッセージとして伝えていきたいですね。


「Conobie」が目指すもの

渡辺龍彦

メディアの作り方として今後「Conobie」でやっていきたいのは、今ある数千もの記事同士の関連性をわかりやすくすることです。


この記事とあの記事は意見が違う、けどテーマは一緒というか、あわせて読んで学びが深まる、という仕組みにしたい。

雨宮みなみ

それぞれ意見こそ違うけど、両方とも、あるひとつのテーマを考えるきっかけになる記事ですよ、という感じですね。

渡辺龍彦

そうそう、そんな感じです。


親御さんが自分の子育て観を作るための材料になればと思います。


今開発中のアプリの記事にもコメントをつけられる欄を設置しようと思っていて、記事に対するいろんなコメントを読んでいただくことで、自分の知見を広げるきっかけになれば、と。

雨宮みなみ

「Conobie」にはたくさんの記事がありますが、子育てや子どもに対する幅広い思いや考えや経験談がこれだけ膨大に集まってくる、というのは、すごいことですよね。


実際に何か反響というか、やってみて発見したことなどはあったりしますか?

渡辺龍彦

先日、サイトオープンしてはじめて読者アンケートをとってみたんです。


ひとつひとつの記事に対して割とまじめにテーマ設定しているためか、「いつも考えさせられます」というお声をたくさんいただきました。


一方で、「もっと気楽に読めるコンテンツもほしいです」というご意見もあった。


僕としては、ひとつのテーマをとことん深掘りしていきたい、という思いはあるんです。


ただ、「意識高い系の親が集まるサイト」にしてしまったら、本当に考えるきかっけを提供したい人たちには届かない。


だからこそ、たとえば普段「自己肯定感とは何か」みたいなテーマと接する機会のない人が、手が空いた時間にFacebookをスクロールしていて、ふとしたきっかけでConobieのサイトを知って、そこから思いがけず考えさせられちゃった。というような仕掛けが作れたらいいなと。