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「大自然のなかで保育を」ーあおぞら保育園(東京都 八丈島)

ほいくる編集部
掲載日:2014/09/11

今回訪れたのは…

東京都八丈島にある「あおぞら保育園」

「大自然のなかで保育を」ーあおぞら保育園(東京都 八丈島)



東京から船で10時間、飛行機では1時間の伊豆諸島南部・八丈島にある町営保育園。
平成23年に3つの保育園を統合し、旧小学校跡地に開園しました。
子どもも先生もみ~んなこんがり小麦色!島の保育園ではどんな活動をしているのでしょうか。

今回わたしがお話を伺ったのは、園長の松川先生。

あおぞら保育園 園長 松川 美智子



福島県出身ですが、八丈島に移り住んで早30年。
なぜ離島で働こうと思ったの? 島での保育で感じる事は?保育士さんはどこ出身の人が多いの?など質問してきました。



海水プールのようす

夏の間、天気の良い日は午前中に海水プールへ出かけます。

海水プールの様子
海水プールがあるのは海の真横!

海水プールの場所を示した見取り図の写真
海水プール見取り図

以前は小学校のプールとして使われていたそう。海に潜ると南国の魚がたくさん!

海水プールの写真
手前は浅く、奥は1m以上の深さがある25mプール

体を水に浮かべる子どもの様子
「かいすいだからうくんだよ~」

プールに飛び込む子どもの様子
「じょうずにとびこみできるから、みててー!」

水に浮かべたボードの上に乗る子どもの様子
「のれたよ!すごい!?」

プールサイドにうつ伏せになっている子どもたちの写真
「ちょっとさむい~」

プールの中から海を見ている子どもたちの写真
「あれ、じいちゃんのふねかな~」

並べられた沢山のサンダルの写真
八丈っ子はみんな“ギョサン(漁業サンダル)”を履いている

あおぞら保育園では、毎日子どもたちが「今日楽しかったー!」と帰って欲しいと願い、大自然の中で思いっきり体を動かすことや、先生も本気になって遊ぶことを心がけています。

火山島である八丈島は起伏が激しく平地が少ない地形です。
あおぞら保育園は坂上地域という中心地から車で20分離れた、やや不便な場所にあるため、島内に4つある保育園の中で、一番園児が少ない園です。
0~5歳の園児29名に7名の先生が付いています。

保育士歴34年のベテラン、松川園長に後輩保育士としてズバリ!質問しちゃいます。

八丈島で働き始めたのはどうして?

恩師の鶴の一声です(笑)。

私は福島の田舎で育ったので、保育士として働くのも自然が多い地域がいいなぁと思っていたんです。
大学のゼミで知り合った恩師に相談すると、「それなら八丈島に行きなさい、良い所だから。」と勧められ、決めてしまいました。
自然の豊かさと大らかな島人気質が合い、居ついてしまったの。
後2年で定年ですが、私はこれからもずっとこの島で生きていきたいと思っています。

子どもたちと過ごす中で、大切にしていることは何ですか?

当たり前の事ですが、子ども目線や子どもの気持ちを大切にすることです。

島には大学が無いので、高校を卒業した子はほとんど島を離れて都会へ行きます。
のんびりとした島の生活とは180°違う世界に旅立つ前に、子ども時代は自然の中でめいっぱい遊ばせてあげたい。その経験から、より良く生きるための力を身に付けて欲しいと願っています。

いま勤務している6名の保育士は全員、八丈島の出身なんです。
島の保育園ではとっても珍しいことみたい。
みな一度は都会に行った経験があるので、私と似た考えを持っているのか、子どもたちとは本気で遊んで本音でぶつかっています。
そういう時、子どもたちの目はキラキラしてるんですよねぇ。

大変なことってありますか?

子どもは昔も今も変わらないと思うのですが、やはり親御さんとの関係や保育環境に対する規制とゆうか、世間の目が厳しいことでしょうか。

私が若い頃は、今じゃ考えられない自由な活動をさせてもらっていました。
子どもたちからは名前を呼び捨てにされたり、その日の気分で自由にお散歩コースを作ったり、親御さんの家で一緒にお夕飯を食べたり、プライベートで園児数人と他の島に遊びに行ったりしていて、親御さんと保育士の垣根が無く、皆大らかに子どもと接していました。

今はケガひとつにしても責任問題になってしまうし、個性を大切にするあまり、子どもたちが集団で行動する力が乏しく感じます。
ここは園児数に対して十分過ぎる数の保育士が居るので、他の園に比べると子どもたちに手を掛け過ぎて、少しわがままにさせてしまっているかも…と自答することもあります。

保育に関する世間の目が厳しくなっても、若い保育士さんには自分なりの保育理念を持って仕事をして欲しいと願っています。
年長者や親御さんの意見を受け入れるばかりではなく、「自分はこう考えるからこう動く」という、ちょっと位押しの強い事を言ってもいいと思うんです。
かつての私がそうでしたから。

先生にとって「保育」とは?

うーん…「好きなこと」ですね。
とにかく子どもが好きなので、この仕事を選びましたし、続けています。

最後に…「夢」を聞かせてください

地域との関わりを増やし、施設をもっと上手に活用することです。

ここは3つの地域の保育園が統合しているのですが、各地域の方々と園児・保育園が交流する機会を作り、地域のつながりや愛着を育んでいけたらいいなと思っています。

離島での保育を長年経験している、松川先生ならではのお話をたくさん聞かせていただきました。
島出身の保育士さんの本音など、ここには書ききれないこともたくさんありました。
あおぞら保育園のみなさん、ありがとうございました!

どんな園なのか覗いてみたい方、関心を持たれた方は、こちらのリンク先をご覧くださいね。

あおぞら保育園
園長 松川 美智子

※町営保育園の為お問い合わせは、八丈町 福祉健康課 厚生係までお願いします。

水槽の写真