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「ミーティング」って保育にどう取り入れる?りんごの木・夏期セミナー2015!!〈イベントレポート〉

ほいくる編集部
掲載日:2015/08/24

一人ひとりが豊かに育つための「ミーティング」

「りんごの木のミーティングは“寄り合い”というイメージが近く、お互いの思いをちょっとずつ折って落とし所を作るような“折り合い”をつけるためではなくて、個を際立たせるために行われています。」と、青山さん。

では一体、何をどんな風に話して、どんな形でミーティングが終わるのか…?
子どもたちの様子は?
ミーティングによって子どもたちにどんな変化が起きるのか…?

気になることがたくさんある中で、ミーティングの前に大切なこととして話に出てきたのが、“本音が言える環境があるか”ということ。
それは、自分の本音を言葉にのせていくことができるようになっていく時期であったり、子どもたちの気持ちが溢れて言葉になった時に真剣に聞いてくれる大人がいることだったり。

本音が言える環境があって、あつまり、耳を傾け、声を出し、聴き、傾聴し、話し、考え、意見を出し、共有し、考え合い、話し合い…といったステップへと繋がっていくのだそうです。

プロジェクターの写真



文字だけではとてもとても伝えきれない程深い10のステップの内容ですが、その中でも特に印象深かったのは、

・子どもたち一人ひとり、それぞれの参加の仕方でOKだということ。

・保育士も、30分の1としてミーティングに参加するということ。

・ミーティングの内容は、日常的な事から拾ってきたことや、正解がなくて、身近で難しくないことが話しやすいということ。

・話すのは、想いが溢れて言葉になってからで良いということ(今は言いたくないという権利も保証されている)。

・特定の事でなく、普遍的な問いに変えることで、みんなが共通の土台で自分のこととして考えられる環境を作るということ。

・子どもは、「じぶんは、じぶんは…」と自分を外に出してみることで初めて自分と違う意見にぶつかり、人の気持ちが見えてきて、“人によって違う”ということを知れるのだということ。
そうして一度自分を外に出してみることで、初めて自分というものが確立してくるのだということ。

・大人は、話しているうちに、ついつい結論を導いたり◯をつけたくなったりしてしまいがちだけれど、それはしないということ。

など。

どういう形でミーティングを終わらせるのか、まとめるのかというところに考えがいきがちですが、「大切なのは、“何のためにミーティングをするのか”であって、共通の結論を出すことは必要ではなく、集団としてまとめることが保育なのではない。」と、柴田さん。

一人ひとりの人間が豊かに育つために群れがあり、そしてその中で個は育っていくということを、ミーティングの様子や実際の子どもたちの様々なエピソードを通してじっくりと考えさせられた時間でした。

プロジェクターに映る子どもたちの写真